転職したけど思っていたような環境ではなかった。不満があって会社を辞めたものの、辞めてはじめて前職が恵まれていた環境であることに気づいた。
このように後悔している人は結構多いです。
そして、そんな人ほど
今更難しいのかもしれないけど、前の会社に戻ることはできないものだろうか。。
と前の会社が恋しく感じられるのではないでしょうか。
この気持ち、私はとってもわかります。
なぜならば、私自身が30代ではじめての転職を遂げた際、転職先の上司や仕事のスタイルが合わなくて、出戻りを真剣に考えた過去があるから。
正直、転職をしてから1ヶ月くらいは転職したことを毎日後悔していましたし、妻に「転職したけど辛い・・・」と泣きついたこともあります。
そして、なんとかその苦境を乗り越えた今改めて思うのは、会社を辞めて転職した人が前職に出戻りするのは、数年の期間を空けた後ならともかく1~2年レベルの短期間では極めてリスキーだということ。
なぜならば、出戻り転職は「評価が落ちる」「人間関係の修復に時間がかかる」「周囲から煙たがられる」などのデメリットがあるからです。
そのため、まずは今の会社で頑張るか出戻りではなく他の会社に転職する道を選択することをおススメします。
本記事では、過去に「前の会社に戻りたい」と真剣に悩んだ私が、転職したけど後悔している皆さんへ辛い気持ちの乗り越え方などを解説していきます。
本記事の内容
- 1.前の会社に戻りたいと思う原因は新しい環境に適応できていないから
- 2.転職した後に前の会社に戻りたいと後悔する人の特徴3つ
- 3.転職して後悔しないためのポイント
- 4.前の会社への出戻り転職で知っておくべきポイント5つ
- 5.転職で後悔した時の対処法3つ
1.前の会社に戻りたいと思う原因は新しい環境に適応できていないから
転職や就職はよく恋人関係に例えられることが多いです。
結論これは的を得てまして、転職した結果前職に戻りたいという心理は恋人と別れた後に「なんだかいい思い出ばかりが頭によぎる」のと同じような感覚と言えます。
転職したての場合はまず慣れることが重要
結論、転職すると人間関係がリセットされますし、仕事の進め方もガラッと変わることがあります。
前職で信頼されて、自由に働けていたとしても、それは過去の話です。
今の会社の同僚はあなたの実力を知りませんので、どうしても様子見だったり、仕事を完全に任せてくれることはなかなか少ないでしょう。
そういった働き方の違いから、転職してからの1~2か月くらいは特にストレスを感じるでしょう。
そのため、まずは新しい環境を客観的に評価できるようになるため転職先の仕事のやり方や社風などを理解するように努めるのが大事です。
なお、転職したてのストレスについては転職のストレスが半端じゃない!転職経験者が6つの要因と対処法を解説しますという記事で触れていますので、興味があれば是非ともご覧ください。
人間は変化に抵抗を示す生き物
皆さんは仕事で新しい取り組みを始めようとしたときに、変化に抵抗あるおじさん達がブーブー文句を言っている光景に出くわしたことはありますか?
こういった人達は多いですけど、実はこの人達は本能に忠実と解釈することもできます。
そう。人間、未経験の出来事に対しては順応するまでに時間を要するし、抵抗感が生じるものなのです。
そのため、もしも今あなたが転職間もない状態で「前のほうが良かった。。」と思っているのならば、その気持ちの正体は、都合の良い記憶だけが呼び起こされているだけかもしれません。
ちなみに、過去の私の場合はこんな感じでした。
<私が前の会社に戻りたいと思っていた理由>
- 前の会社は自分を評価してくれていたけど、新しい環境なので信用のなさを感じる
- 前の会社では発言権があったけど今はない
- 新しい会社は何から何まで上司の承認を取らなければならなくて面倒
- 社内システムも使いづらいし、ストレスを感じる
- 上司が否定から入るので、とてもストレスを感じる など
過去の自分にも言いたいんですけど、結局のところこの辺りの辛さやストレスって、「想像力があれば想定できること」なんですよね。
要は、そんなリスクは承知のうえで転職してるんでしょという話です。
とはいえ、転職する際に最悪な職場を想定して活動をするなんてのはモチベーションを保つ意味でも無理な話であるのも事実です。
けれど、人間は変化に抵抗する一方で、適応能力も高い生き物です。
結論、最初は見るのも嫌だった社内システムも、3ヶ月も使っていれば「なぜ自分はあんなに抵抗感があったのだろうか」と思うこともよくある話。
振り返ってみると、私の場合は半年くらいで会社に慣れた結果、その頃には前の会社に戻りたいとは思わなくなりました。
そんな実体験から、転職してから慣れるまでの期間についてを【30代の転職】未経験で新しい職場や仕事に慣れるまでの期間と乗り越え方とはという記事でまとめております。こちらも是非ご覧ください。
転職して1年以上の場合は原因分析が必要
転職後に1年以上経過していて、転職先の内部事情なども理解したうえで前職に戻りたいな・・・と思っている場合は、具体的にどの要因が戻りたいという思いに繋がっているのかを自己分析したほうが良いでしょう。
具体的には「年収」「労働時間」「仕事の内容」「人間関係」などです。
ただし、前の会社から転職したということは当時何かしら不安や不満があったという事実を忘れてはいけません。
当時の気持ちを思い出してみて、それでも前の会社に戻るのか否かを選択するのが賢明と言えるでしょう。
なお、見切りをつけたほうが良い会社には悪い特徴が複数あります。
それについては見切りをつけた方がいい会社の特徴12選と在籍リスク【抜け出すための行動も】という記事で解説しておりますので、職場に慣れたのに会社を辞めたい人はこちらも是非ご覧ください。
2.転職した後に前の会社に戻りたいと後悔する人の特徴3つ
特徴①.なんとなく転職をした人
結論、転職の軸が不明確なままに「なんとなく」転職した人は後悔する可能性が高いです。
・転職サイトやエージェントから送られてきたオファー求人に応募したら内定を貰った
・今の会社はなんとなく不満だけど、その不満が何なのかはフワッとしている。結局なんで辞めたのか自分でもわからない
・職場で嫌なことがあったので、勢いで辞めてしまった
これらに共通するのは転職することへの覚悟が決まっていないことです。
このケースでは、自分が転職して何がやりたいのか向き合ったうえで転職しているワケではないので転職先でミスマッチが発生した際に後悔してしまうワケです。
特徴②.視野が狭い人
「給料の不満」「労働時間の不満」「仕事内容の不満」「スキルアップできない不満」
このように、転職に踏み切る理由は人によって異なります。
本来であれば、上記のような項目を列挙したうえで自分の中で優先順位を明確にしていくべきですが、視野の狭い人は一つの不満だけに拘りすぎる傾向にあります。
例えば残業時間は多いが給料はそこそこだった人が、残業時間だけに拘りすぎて
残業時間は減ったが、給料も結構減った。人間関係も前の会社のほうが良かった。あれ?これって転職失敗じゃないか?
と後悔するパターンです。
今の不満点を必ず解消したいという気持ちはとても大事なことです。
ただ、それだけに着目すると後悔する可能性は高まりますので、あらゆる評価ポイントを列挙して、内定先と現職が総合的にどちらが良い会社なのかは冷静に判断すると後悔する可能性はグッと減ると思いますね。
特徴③.前職で人脈に優れていた人
結論、仕事をするうえで人脈ってもの凄く大事です。
あー。この仕事ってどう進めればいいんだろうか・・・
と思った時に、相談できる相手がいるのといないのでは効率が大きく変わりますよね。
転職すると人間関係がリセットされますので、「悩んだ時に質問する相手がいない」というストレスがどうしても伴うものです。
転職後にそういったシーンに直面した際に、前職で人脈に優れていた人ほど転職した後にストレスを感じると共に落差を感じてしまうワケです。
なお、仕事で人に相談することは効率を高める意味でも極めて重要なことだと思っていまして、その理由については【仕事遅い】仕事で上司や同僚に相談しない人が損する3つの理由【残業多い】という記事で解説しております。
興味があれば是非ともご覧ください。
3.転職して後悔しないためのポイント
結論、転職理由の不満を解消するには本当に会社を辞めなければならないのかをまずは考えましょう。
そんなの当たり前じゃん
って感じる人も多いと思うんですけど、仕事に追われて疲れ果てている状況だと、この当たり前のことを行う余裕がないケースもしばしばあります。
まずは、自分の不満としっかり向き合い、「異動」や「上司への相談」で解消する可能性がないのかを自分の中で明確にさせることが大事です。
そして、結局のところどんなに転職活動を入念に準備していたとしても、「企業文化が合わない」「実は上司が鬼のように厳しかった」というミスマッチは残念ながら起こりえます。
そうなった時に、転職することを後悔しないかどうかは結局のところ「覚悟が決まっているか」です。
転職すると、得るものもあれば失うものもあります。
2つを天秤にかけたうえで転職を決定し、「失敗したとしても後悔はない」と思えるかが大事です。
よく転職活動では自己分析が大事だと言われますけど、後悔しないためにも自分と向き合う時間はとても大事だと思います。
・なぜ自分は今の会社を選んだのか
・なぜ自分は転職したいのか
・新卒入社した会社ではどんな仕事を夢見ていたのか
・自分はどんな人物なのか
こういったことをノートに書き出すなどして、最終的に後悔のないような結論を是非とも導いてみてください。
4.前の会社への出戻り転職で知っておくべきポイント5つ
結論、優秀であれば出戻りだろうが何だろうが関係なく出世していきますが、基本的には出戻りは不利に働くと考えたほうが良いでしょう。
その①.辞めた人は基本的に評価が落ちる
近年は転職が当たり前になってきているものの、やはりまだまだ会社を辞める=裏切りという見方をする人が一定数いるのも事実です。
そのため、「よく戻ってきたな!即戦力で嬉しいよ!」と大歓迎される場合よりも「他社で上手く行かなかったから戻ってきたんだろうな」とか「一回会社を見限ったくせによく戻ってこれるよな」といった負の感情を抱く人のほうが多いのではないでしょうか。
そのため、転職した結果「やっぱり前の会社に戻りたい」と思っても、安易に戻ってしまうのはリスクが高いです。短くても3~4年の期間を空けて出戻りを検討するのが良いでしょう。
それ以外の短期な出戻りは、目には見えない「心理的なビハインド」を負ってしまう可能性が高いと思いますね。
もちろん、こういったビハインドがあっても頑張ってガムシャラに働くことで、いくらでも挽回することは可能です。
実際、前職の私の上司は一度会社を辞めてから出戻りをした人でしたけど、様々な逆境を乗り越えて大手企業の執行役員クラスまで出世していましたからね。
また、後述するカムバック制度自体がない会社では、退職した時よりも出戻りした時のほうが給料が下がるケースがあります。
実際、私が過去に働いていた会社では、同期入社して同じ階級で働いていた人が会社を辞めた後出戻りしたことによって元同期の部下になったという事例があったようです。
そのため、安易に出戻りしようとしても会社によってはもともとの待遇が維持できない点はリスクだと思いますね。
その②.近年はカムバックに積極的な企業も増えている
例えば、大手総合電機メーカーのPanasonicは、自社の採用ホームページにて、出戻りに関してこのように記載しています。
社員再就職制度に加えて、一度パナソニックに入社した後に別のキャリア経験を積み、再びパナソニックに戻る、カムバックキャリアの受け入れを拡大することで多様なキャリア選択を後押しします。
このように、会社によっては一度他社で働いた経験を前向きに捉えているケースもあります。
そのため、前の会社に戻りたいと思うのならば、まずはもともと勤めていた会社に出戻りを受け入れる体制が整っているか確認すると良いでしょう。
そして、もしも前職に出戻りの受け入れ体制があるならば大チャンスである一方で、上述の通り同僚があなたが辞めたことをよく思っていない可能性はあります。
いずれにせよ、出戻りする=ビハインドを負っているという意識は持っておいたほうが良いでしょう。
その③.前職から勧誘された場合は不利が少ない
前述の通り、近年はカムバック採用が増えてきています。
その際、ポイントとなるのが自分からカムバック採用求人に応募するのか、辞めた企業からオファーを受けるかです。
後者の場合はあなたの前職での実績を見込んでオファーがあるワケなので、前職からのバックアップが得られる可能性が高いです。
もちろん、少なからず不利はあるでしょうけど、前職から誘われる形であれば出戻りはチャンスと言えるでしょう。
その④.人間関係の修復に時間がかかる場合あり
理由がどうあれ、一度は辞めた会社であることは事実なので、職場に戻って即戦力だったとしても気持ちの面で気まずさは残ります。
これはある意味当然の心理で
この会社よりも他の会社のほうが良いと思ったから辞めますね
と言って会社を辞めた人が
やっぱり他の会社よりもこっちが良いと思ったから戻ってきました
と言われても、「なるほどな」とすんなり飲み込める人もいればそうでない人もいるのはなんとなく理解できます。
この気まずさは退職が円満だったのか、退職理由をポジティブに伝えていたのかなどがだいぶ影響します。
そして、自分都合を前面に出していたほど出戻りによる人間関係の亀裂は大きいものでしょう。
その⑤.周囲から煙たがられるリスクあり
結論、古い体質の会社ほど一度会社を辞めた人に対して裏切り者という心理が働きます。
こうした人たちは考え方もネガティブな傾向にあるので、戦力が戻ってきた喜びよりも
あいつが辞めてどれだけ大変な思いをしてきたのかわかっているのか・・・
という妬みの感情が強く出てしまうのです。
出戻りした本人は前と同じような人間関係で仕事ができると思っていたのに、「出戻りしたからには覚悟しているんだろうな?」と言わんばかりの厳しい反応にギャップを感じて苦しむ可能性があるかもしれません。
なお、こういったリスクを避けるためには辞めた会社が転職者を裏切り者扱いする会社なのかどうか知ることが大切です。
私自身、過去転職した際に人事部長から裏切り者呼ばわりされた経験があります。
その経験をもとに【実体験】転職したら会社に裏切り物扱いされた筆者がその心理と対処法を4つ紹介という記事で傾向を解説しておりますので是非ともご覧ください。
5.転職で後悔した時の対処法3つ
結論、どんなに後悔したとしても一度会社を辞めてしまった事実は変わりません。
ですので、「転職しなければ良かった・・・」と悔いても基本的には仕方がなくて前を向いて行動する他に選択肢はないんです。
もちろん、そんなに簡単に気持ちの切り替えはできないものです。過去の私もそうでした。
そして、客観的に考えると転職して後悔している時に採る選択って詰まるところ3つだけなんですよね。
<転職して後悔している人が採る選択肢>
- 今の会社でひたすらに頑張る
- 次の会社に転職する
- 前の会社に戻る
対処法①.今の会社でひたすらに頑張る
結論、転職して間もない頃に後悔しているのであれば、まずこの選択をしたほうが良いと思います。
なぜならば、転職して間もない頃は今の会社の悪いところだけがクローズアップされてしまう傾向にあるから。
本当は前職よりも転職先のほうが優れた箇所がたくさんあるのに、全体が視えていないがために悪いほうへ考えこんでしまう人は結構多いです。
また、今の会社で何も成果を出さないままに転職してしまうと、自己肯定感が低くなりますし、何よりも途中で投げ出す癖が付いてしまいかねない点はリスクと言えるでしょう。
そのため、半年~1年くらい仕事に取組み、まずは今の会社の良いところも悪いところも理解することが大事となります。
対処法②.次の会社に転職する
結論、半年~1年転職先で仕事を頑張ったうえで「やっぱり今の会社っておかしいよな?」と思うのであれば、転職を検討するのが良いでしょう。
そして、何よりも大事なのは転職失敗を繰り返さないことです。
そのためには入社前に想像していた会社像と実態のミスマッチを最小限に留めることが極めて重要と言えます。
そう思ったあなたにおススメなのが転職口コミサイトの活用です。
転職口コミサイトは、実際に過去働いていた人や現職の社員が会社の実態を書き込みしており、情報にも一定の信頼性があります。
内定先の評価が低かったり、口コミ内容とあなたのイメージに乖離が大きいようであれば、転職を思い留まったほうが良いでしょう。
入社前に思っていた職場環境と全然違う・・・
このような悲劇を防ぐため、私が実際に使ってみて信頼できると思ったサイトを2つ紹介しますと転職会議とOpenWorkです。
これらのサービスは100万人単位で会員数も付いていますし、実際に勤めた企業の口コミを見ても、「そうだよね。」と思える内容が多かったですね。
両サイトともに無料で使えますので、情報量を倍にするためにも2つ登録して企業の実態をチェックしましょう。
また、転職口コミサイトを使いつつ、ブラック企業を避けて伸びていく業界を選ぶことが大事であり、逆に言うと転職しない業界の見極めが大事とも言えます。
これに関しては【2022年】ブラック企業経験者が転職しないほうがいい11業界と理由を解説という記事で詳細を解説しておりますので、転職に興味がある方は是非ともご覧ください。
対処法③.前の会社に戻る
結論、オススメはしていないものの、上述の通り前の会社から「頼む!戻ってくれ!」とお願いされるようであればこの選択もアリな気はします。
大事なのは、前の会社の良いところも悪いところも客観的に見えているか否かという点でしょう。
そして、この決断に心が振れている人は今の会社がイマイチだと感じてしまっていると思うのですが、焦って出戻りの決断をする前に、今一度「なぜ前の会社を辞めたのか」を思い起こすことをオススメします。
私自身、上述の通り前の会社に戻ることを考えてしまった一人です。
私の場合、新卒で10年働いた会社を退職した最終日に「最高に空気が美味しいと感じるほどの圧倒的な開放感」に気分が高揚したのをよく覚えています。
そして、もしも過去の私と同じように、出戻りしようとしている会社を辞めた瞬間の感想が喜びに満ちているほど、出戻りは失敗してしまうリスクが高いと言えるでしょう。
繰り返しになりますけど何よりも避けたいのは、感情のままに勢いで前の会社に戻ることです。
何事も感情的に行動するとあまり良い未来はやってこないです。
転職は人生を左右するイベントですので、計画的に行動していくことをおススメします。
おわりに。
ということで、転職したけど前の会社に戻りたいという悩みに関するまとめ記事でした。
当たり前ですけど人生には正解がないので、自分なりにしっかり考えた結果前の会社に戻るという選択をするならば、それはそれで良いと思います。
重要なのは、なにかを決断する際には得るものと失うものがそれぞれあるということです。
その2つの具体的な中身を理解し、天秤にかけたうえで決断するのが大切だと思いますね。
転職したけど後悔している皆様へ。是非とも本記事を参考にして頂き、後悔のない決断をして頂ければと思います。
今回は以上です。