自動車業界への就職や転職に興味がある。ブラックでやばいという噂も聞いたことがあるんだけど本当なんだろうか。実際に働いていた人の体験談や意見を聞きたい。
このようなことを思っていませんか?
私は、過去に建設業界で約10年働き、それから異業種転職して自動車メーカーに約2年在籍しました。
それからはまた別の業界で働いているのですが、複数の業界を経験してきたことから客観的に自動車業界の良いところやイマイチなところを理解しているつもりです。
結論から言うと総論「自動車業界はやめとけ」とか「自動車業界はやばい」とは思いません。ただ、中古車販売店はやばい可能性が高いです。
そして、自動車メーカー関連の仕事は勤務地が田舎であることが多いので都会に住みたい人にとっては辛い環境と言えます。
業界は100年に1度の変革期を迎えていて変化が激しい刺激ある日々を送れますし、ボーナスも多く待遇も悪くはありません。
工場などの現場作業は大変な側面もあるでしょうが、自動車好きな人にとってはやりがいのある環境と言えます。
ただ、下請けになればなるほど労働環境は厳しくなっていきますので、働くなら完成車メーカーがおススメでしょう。
ということで今回は、自動車業界に興味のある人へ自動車業界の特徴やキツい点・面白い点などを実体験を交えて解説していきます。
本記事の内容
- 1.自動車業界は本当にやばい・やめとけなのか
- 2.自動車業界が合わない人の特徴
- 3.自動車メーカーの離職率
- 4.自動車メーカーの残業時間
- 5.車好きじゃない人が自動車メーカーで働くのはアリか
- 6.自動車メーカーで働いてキツかったこと3選
1.自動車業界は本当にやばい・やめとけなのか
繰り返しになりますが、総論自動車業界はブラックな業界ではないです。
新車の販売台数が落ち込んでいる事実は気になりますが、コロナ禍で飲食店が軒並み経営難に陥ったときのように急激に需要が低下することは考えにくいので安定的に一定の需要は望める業界だと思います。
日本でも地方に行けば車がないと生活ができませんし、アメリカなどの海外諸国は車社会である国が多いです。
車はいわば水や電気のようなインフラとも言える地域も多いので、その点は自動車業界の安心材料と言えるのではないでしょうか。
そのため、業績が安定している点も含めて、基本的には自動車業界がオワコンでやめとけとは思っていません。
ポイントは、どこの業界でもそうですけど業界の文化に合うのか合わないかです。
ここからは、自動車業界の特徴について簡単に触れていきます。
自動車業界はブラックではないが現場仕事はハード
結論、自動車業界はブラックではありませんが、ホワイトとも言えません。
工場ラインなどの生産拠点は心身ともにキツいことで有名なので、職場によってはブラックとも言えます。
ただ、会社自体はホワイトであるものの、配属部署によってはブラックになり得るという点は他の業界でも同様でしょう。
なお、私の職場ってブラックなの?という疑問をお持ちの方は【理不尽】ブラック企業あるある9選。該当者は即刻転職を!【怖すぎ】という記事でブラック企業の特徴を解説しておりますので、もしよければ参考にどうぞ。
ちなみに、私の知人が2名ほどトヨタ自動車の研究開発部門で働いています。
10年以上前の話なので今とは環境が違うかもしれませんが、当時新入社員の研修で行われる工場実習を終えた頃、2人共見るからに体重が減ってゲッソリしている姿を見たときは、ラインで働くのって相当キツイんだろうな・・・と思ったものです。
年収はそれなりに高め
自動車業界人気企業の平均年収を調べてみると、こんな感じでした。
<自動車業界転職人気企業の平均年収>
- トヨタ自動車 858万円 平均年齢40.0歳
- 本田技研工業(Honda) 798万円 平均年齢44.9歳
- 日産自動車 796万円 平均年齢41.6歳
- デンソー 721万円 平均年齢43.8歳
- マツダ 628万円 平均年齢41.5歳
これを見て、結構低いなぁと思った人もいるでしょうが、これは全社員含めたデータなので、大卒総合職はさらに高いと考えたほうが良いでしょう。
ちなみに、私の知人のトヨタ自動車社員からの話を聞いた感じ、30代前半で年収1,000万円の大台に乗りそうな雰囲気でしたね。
さすがは世界のトヨタと言える待遇ですね。
なお、自動車メーカーの年収水準が世の中全体と比較してどうなのか気になる人は【多い?少ない?】自分の収入ってどのくらい?あらゆる観点で平均年収を調査!という記事を是非ともご覧ください。
新車の販売台数は減少傾向
自動車業界がオワコン・やばいと言われる一つの要因が新車販売台数の減少です。
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した2022年の国内新車販売台数の総計は420万1321台となっています。
この数字は前年比5.6%減と4年連続のマイナスであり、登録車数も前年比8.3%減の256万3184台と落ち込みました。
前年割れとなるのは4年連続であり、この事実は厳しい現実を表しているとも言えます。
特に、日本の完成車メーカーのトップを走るトヨタ自動車が前年比▲12.4%となっている点は業界にとって非常に懸念材料と言えるでしょう。
若者の車離れがあるのは事実
ソニー損保が2023年1月6日に公表している「2023年 20歳のカーライフ意識調査」で1000人からのアンケートを取った結果によると、若者の考えは以下の傾向にあります。
<若者の車に対する考え>
- 20歳の運転免許保有率は61.2%、昨年調査から4.0ポイント上昇
- 「車を所有している大人は格好いいと思う」53.4%
- 「車を購入するつもりはない」23.6%
- 自分の車を持ちたいと思わない理由 1位「購入費用を負担に感じるから」
- 「車を所有する経済的な余裕がない」57.9% など
この結果から、車に興味がないわけではなく経済的な理由から車を持てない若者が増えていることが伺えます。
特に2022年では物価の上昇が顕著に見られた年でもあるので、単価の高い自動車産業は物価上昇の影響を強く受けていると言ってよいでしょう。
部品メーカーで働くのは避けたほうが無難
結論、自動車系の部品メーカーで働く人達が上流の完成車メーカーから無理難題を言われたり、厳しいコストダウン要請を受けて疲弊していくのは事実です。
なぜならば、部品メーカーから完成車メーカーに転職した過去の私の同僚がそのように言っていたから。
自動車という「人命」に関わる商品であるため、厳しい品質基準が要求されます。
また、どうしてもお客様である自動車メーカーの都合に振り回されることも多いです。
近年では下請けである部品メーカーの立場も上がってきているようですが、自分で主導権を持ちつつ主体的に働きたい人には向いていない業界と言えるでしょう。
このような理由もあり、自動車業界の中でも部品メーカーへの転職や入社やよほど熱意がない限りはオススメしていません。
なお、他業界含めて転職しないほうが良い業界は別途記事でまとめておりますので、こちらも興味があれば是非ともご覧ください。
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【2023年】ブラック企業経験者が転職しないほうがいい11業界と理由を解説
続きを見る
100年に1度の変革期CASEにあり、将来性は十分
今、自動車業界はそれぞれの頭文字を取った「CASE」を迎えていると言われており、まだまだ将来性は高いと言えます。
車好きかつ新しいもの好きな人にとっては今の自動車業界はモチベーションが高まる環境にあると言えるでしょう。
CASEとは
C:Connected 自動車の車両情報や位置情報などが常時センシングされて遠隔からモニタリングできる仕組み
A:Autonomous 自動運転を指す
S:Shared & Services カーシェアなどの車両共有サービス
E:Electric 電気自動車
私は上記のうちCにあたるConnected分野で2年ほどプラットフォームの運営・企画をしてきましたけど、これらは新しい分野ですので面白みや発見があったものです。
逆に、旧態依然とした新しいことを避けるような体質の人には向いていない業界と言えるかもしれませんね。
なお、私自身古い体質の会社を経験してきて今に至ります。
その経験から感じる、古い体質の会社で働き続けることのリスクに関しては【転職推奨】古い体質の会社に居続けることで失うものを5つ紹介【時代遅れ】という記事でまとめております。興味があれば是非ともご覧ください。
中古車販売店はやばい
2023年、中古車販売大手のビッグモーター社が修理車に傷をつけるなどを行い、不正に損害保険会社から保険金を水増し受領していた問題が発覚して社会問題に発展しています。
この騒動で明るみになったのは、ビッグモーター社の異常とも言えるノルマの強要や上司からのパワハラLINEです。
また、月に一回の幹部による環境整備点検では社員らが幹部に一斉挨拶を強要され、少しでも態度が気に入らないと副社長が降格や転勤をさせるなど権力の乱用も明らかになりました。
なお、ビッグモーター社の不正に関してはホリエモンのYoutubeチャンネルで元ビッグモーター社幹部である中野優作氏との対談動画で詳しく解説されています。
そして、この動画の内容をまとめるとこんな感じ。
<動画のまとめ>
- 中野さんは2017年に退職。問題の兼重副社長が副社長に就任する前に退職している
- ビッグモーターは中小企業がそのまま大きくなった感じ
- 環境整備点検では草が生えていたりすると上層部から詰められる
- 今回は整備の問題が社会問題になっているが、売り方の問題も当時数多くあった
- 売り方の問題の一例を挙げると、自動車ローンの金利額を意図的に安く説明するなど
- 保険会社もビッグモーターに忖度していた可能性は充分ある
- ビッグモーターの離職率はかなり高い。ただ、辞める人も多いが入社する人はそれ以上多い
- 創業者社長が現場を回っていた頃はなんとか会社が回っていたが、世代交代で大きく会社が変わってしまった
- 副社長を囲っていた上層部が辞めないと会社を辞めるという状態だと聞いている など
この不祥事から、同業他社も同じようなことをやっていたのではないか?という疑いが消費者から挙げられており、中古車販売業界そのものの信用低下が起こっています。
当たり前ですけど、従業員目線からすると不正をするような会社で働きたくはないですよね。
私自身、不正を強いられる会社で働いた経験がありますが、最終的には自尊心がボロボロになって辛い思いをしたものです。
その詳細は会社から不正を強いられて辞めたい時は転職すべき3つの理由【退職理由の面接対策も】という記事で解説しております。是非ともご覧ください。
自動車業界に入社するならしっかり準備しよう
結論、自動車業界に入社するなら完成車メーカーがオススメです。
完成車メーカーといっても、数はそれほど多くないです。
そのため、本気で完成車メーカーを狙う場合、候補の企業数は右手で数えられるくらいに絞れているはずです。
このように、特定の候補先から内定狙う場合はJACリクルートメントを活用するのがオススメです。
なぜかと言うと、他のエージェントに比べて、個別企業の情報量が多いからです。
通常、転職エージェントでは
「求職者→エージェント担当者→企業担当者→企業」
という流れのコミュニケーションですが、JACリクルートメントの場合は
「求職者→企業担当者→企業」
というコミュニケーションを取れるのがメリットです。
結果、「こういう人材が求められている」とか「過去こういう傾向の人は落ちている」といった中身の濃い情報が面接前に入手可能です。
もちろん、転職エージェントの基本である転職相談・面接対策支援・面倒な事務手続き・求人紹介といった支援も無料で利用できます。
自動車メーカーへの入社を目指すなら、とりあえず登録してみて損はないと思いますよ。
2.自動車業界が合わない人の特徴
その①.都会で生活したい人
自動車って毎日のように目にするものですし、特に男性の方だと子供の頃から車が好きで育った結果として自動車業界に入社したいと感じるパターンって多いのではないでしょうか。
ちなみに、dodaが発行している転職人気企業ランキング2022<総合>で自動車業界の人気企業をピックアップしたところ、結果はこんな感じでした。
<自動車業界の転職人気企業抜粋>
- トヨタ自動車 1位 本社:愛知県豊田市
- 本田技研工業(Honda) 16位 本社:東京都港区
- デンソー 30位 本社:愛知県刈谷市
- 日産自動車 45位 本社:神奈川県横浜市
- SUBARU 49位 本社:東京都渋谷区
- マツダ 61位 本社:広島県安芸郡
- テスラモーターズ 124位 事業所:東京都港区
- ダイハツ工業 164位 本社:大阪府池田市
- アイシン 199位 本社:愛知県刈谷市
- スズキ 211位 本社: 静岡県浜松市
- 三菱自動車工業 249位 本社:東京都港区
名だたる企業の中で、転職人気1位のトヨタ自動車はさすがですよね。
ただし、豊田市って結構というかぶっちゃけド田舎だという話は有名です。
また、本社が都心部にあるHondaや日産自動車はどうなんだ?というツッコミに対して言いますと、もちろん事務系の職種であれば本社勤務できる可能性は多いにあるでしょう。
ただし、工場や研究開発部門で入社した人は本社勤務の希望は捨てたほうが良いです。
Hondaの場合ですとこれらの拠点を栃木に構えていますし、日産自動車も横須賀や厚木に構えています。
ですので、自動車業界の技術系職種で食っていくならば一生田舎に骨を埋めるくらいの覚悟が必要ですし、それを受け入れることが自動車業界で長く働くための必須条件と言えるでしょう。
その②.休みを多く取得したい人
結論、自動車業界で働く場合休みが少なくなる可能性があります。
私は過去に2年間某自動車メーカーの本社企画職で働いてきましたけれど、祝日がある週は祝日を休む代わりに土曜日出勤になるという、工場のカレンダーに合わせた勤務体系でした。
私の場合、そういった場合は土曜日に有給を使って世間一般のカレンダー通りに合わせるパターンが多かったのですが、祝日がある週は有給を1日消化してしまうので、実質的に使える有給休暇日数はさほど多くない印象でしたね。
もちろん、人によっては休みが取れずに働いている人もいましたので、状況によっては休みが少なくなる可能性はあると考えたほうが良いでしょう。
また、細かいところで言いますと、私が勤務していた会社では就業時間が8:45〜17:30・休憩45分の実働8時間でした。1社目や現職が9:00〜17:30の1時間休憩ですので、地味に1日あたり30分の稼働差分は大きいと思っているところですね。
3.自動車メーカーの離職率
厚生労働省が2021年8月31日に発行した「-令和2年雇用動向調査結果の概況-」によると、自動車業界を含む製造業の離職率は全産業比も低い9.4%となっています。
自動車業界だけに着目すると、完成車メーカーの離職率は下請けの会社よりも低く、1~5%という噂もありますが、具体的なソースはありません。
ただ、一つ言えるのは自動車業界におけるピラミッド構造では完成車メーカーはトップであるということ。
ですので、業界構造的に考えると完成車メーカーは給与も高く下請けにプレッシャーをかける立場になりますので、離職率は定説通り低めと考えるのが自然でしょうね。
4.自動車メーカーの残業時間
自動車業界の人気企業の平均残業時間を、転職口コミサイトのOpenWorkで調べてみました。その結果はこんな感じ。
<自動車業界の平均月間残業時間>
- トヨタ自動車 :27.8時間
- 本田技研工業(Honda) :22.4時間
- デンソー :24.8時間
- 日産自動車 :28.3時間
- SUBARU 49位 :26.8時間
- マツダ 61位 :19.9時間
- テスラモーターズ :41.3時間
- ダイハツ工業 :29.8時間
- アイシン :21.7時間
- スズキ :31.1時間
- 三菱自動車工業 :22.5時間
平均は20~30時間というところでしょうか。
ただ、上述の通り自動車業界では定時が8時間労働である会社も多いので、+10時間分くらいの残業があるものと思ったほうが良いかもしれません。
そう考えると、残業はそこそこ多い業界と言えるでしょう。
また、自動車業界に興味があるならば、入社してから
こんなはずじゃなかった・・・
と後悔しないために、応募する会社の企業文化や組織風土など、できる限りの情報収集をしておいたほうが良いです。
その際には企業の実態が元社員や現役社員から得られる転職会議やOpenWorkといった転職口コミサイトを活用すると良いでしょう。
5.車好きじゃない人が自動車メーカーで働くのはアリか
車好きでなくとも自動車メーカーで働くのは全然アリ
結論、車好きではなくても自動車メーカーで働くのはアリだと思います。
なぜそう思うかと言うと、私自身が車に興味がないけど自動車メーカーで働いていたからです。
想像通り、自動車メーカーで働くと車好きの人が多かったのは事実です。
けれど、詰まるところ仕事は仕事。プライベートはプライベートです。
プライベートで車に興味がないと雑談で車トークになった時に少しだけ身の狭い思いをするかもしれません。
ただ、逆に言うと困るシーンってそのくらいです。
体感的には車に興味のある人とない人は6:4か7:3くらいの割合でした。特に、若手は車離れが進んでいますので、車に興味のない人でもそんなに気後れする必要はないと思いますね。
悩んだ時には車に興味がないと転職のきっかけになる【体験談】
私は自動車業界から異業種に転職して今に至ります。
転職した一番の理由は35歳を間近に控えて挑戦しようと思ったからですが、自動車メーカーでの色々な不満を抱えた中で「そもそも車にさほど興味がない」という点は大きな転職の決め手になりました。
客観的に見れば
そもそも車に興味ないのに自動車メーカーで働くなんてダメでしょ
って思われるかもしれませんが、自動車メーカーに転職した私は「大手ならどこでもいいや」くらいに思っていました。
何より、転職前よりも年収が上がり、ワークライフバランスが確保できそうな点に魅力を感じたから転職をしたんですよね。
よく「転職するには自己分析を徹底して自分のキャリアプランにマッチした会社や業界を選ぼう!」って綺麗事を耳にしますよね。
けれど、実際には過去の私のように「給料が上がるし環境もよくなりそうだから転職するか」って人は多いと思うんです。
ぶっちゃけた話、転職の動機は個人的にはそれでも全然良いと思っていて、その結果続くか続かないかの本質は上司や会社の文化とのマッチングの問題だったりします。
ですので、車に興味のない人でも自動車メーカーで勤めきるパターンも結構多いです。
ただ、一つデメリットを挙げるとすると、自分の気持ちが凹んだ時に自分を繋ぎ止められない点でしょう。
自動車に興味のない人が自動車メーカーで働くことに嫌気が指してくると
あれが嫌だ。これも嫌だな。そして、よく考えると私って車に興味がないよな。これじゃダメだよな・・・
といった感じで、自分の転職を「自動車に興味がない」ことで納得させようとします。そして、これは納得感があるんです。
ですので、車に興味のない人は自動車メーカーの離職率が高くなるでしょうが、だからといって必ずしも自動車メーカーで働くべきではない、結局は働いてみないと分からないってのが結論ですね。
6.自動車メーカーで働いてキツかったこと3選
キツかった点①.販売会社からのクレーム対応
よく自動車メーカーは王様なんて言われますけど、私の経験から言うと全くもってそんなことはなかったです。
むしろ、それとは逆で子会社である販売会社からの問い合わせやクレームの対応で平謝りする毎日でしたね。
もちろん、これはメーカー色によっても異なるのかもしれませんけど、自動車メーカーに入社すれば王様気分でいられるなんてのは幻想だと思ったほうが良いと思いますね。
キツかった点②.現場感覚を養いづらかった
これは上述の点とも関連するんですけど、自動車メーカーって営業を別会社にしているため、どうしても自社で製造されたものが現場でどう活用されているのか目が届きづらいんですよね。
結果として「メーカーに問い合わせしても現場を考慮せずに机上の空論で返される」と販売会社から批判されがちだったことが精神的にキツかったですね。
特に、これが車の走行に関わるような故障や不具合の場合は結構な剣幕で「はよ調べんかい!」と要望を受ける点もキツいところでしたね。
まぁ、私も別業界ですけどメンテナンスの仕事をしていたので気持ちはわかるんですよね。
保守の仕事はいつ出動の連絡が入るかわからないので本当に大変なのです。
これに関しては【体験談】保守・メンテナンスの仕事が辛いと言われる理由5選【緊急出動】という記事で解説しておりますので、興味があればこちらもぜひご覧ください。
キツかった点③.視野の狭い人材になりがち
これは周囲を見てて感じたことです。上述の通り、自動車メーカーというイメージとは異なり毎日下請けのように問い合わせ対応やクレーム対応をしていました。
そんな中、心のどこかでは「俺はメーカー勤務なんだぞ」という意識というかプライドを若い社員ほど持ちがちです。
結論、現場で働いた経験はなかったとしても現場で働く人がどういった緊迫感の中で働いているのかを知ろうとする姿勢ってメチャクチャ大事だと思いますし、それが相手からの信頼にも関わってくるものなんですよね。
そして、完成車メーカーで勤務しているプライドが高い人ほど、現場で働く販売会社社員とは溝が深まり、結果として相手から総スカンを食らってしまう人も何人か目にしてきましたね。
やっぱりビジネスである以上王様なんてあり得なくて、どんな職場環境であっても上司やお客様に該当する人たちはいるものなんですよね。
そう考えると、相手の立場になって物事を考えるというのは基本的なようで最重要のビジネススキルと言えます。
なお、これに関してはビジネスでは相手の立場に立って考えられると最強だが実践するのが難しい理由という記事で解説しておりますのでこちらも興味がありましたら是非ともご覧ください。
おわりに。
ということで、自動車業界はやめておけという説に関する私見を述べた記事でした。
結論、自動車業界はキツいところはあるけど、CASEを迎えているように今まさに変化している業界であり、面白みはあると思います。
ただ、地方勤務になりやすいというリスクや休日が少なくなりがちというデメリットはありますので、そのあたりを鑑みて応募するかしないかを決断いただくと良いのではないでしょうか。
今回は以上です。