施工管理と設計のどっちに転職すべき?求められる適性の違いを元業界人が解説!

2022年6月26日

建設業界の仕事に興味があり、施工管理と設計のどちらに転職しようか迷っている。

 

できればワークライフバランスが確保されている職場が良いけど、施工管理も設計も大変だと聞くし、どっちの道に進むのが良いのだろうか。

 

こんなことでお悩みではありませんか?

 

私は新卒で建設業界の会社に入社し、約10年をその会社で過ごした後に異業種転職を2回経験しています。

 

その経験から言えるのは、施工管理と設計は全然異なる性質の仕事であり、どっちが優れているわけでもないとうこと。

 

要はあなたの性格に合う・合わないというマッチングの問題なわけです。

 

ということで今回は、そんな私が施工管理と設計の仕事の違いやそれぞれの仕事に求められる適性などについて解説していきます。

 

本記事の内容

  • 1.施工管理と設計の業務内容とそれぞれの違い
  • 2.施工管理に向いている人の特徴3選
  • 3.設計に向いている人の特徴3選
  • 4.施工管理と設計どちらを選べば良いのか

 

1.施工管理と設計の業務内容とそれぞれの違い

 

簡単に言うと、施工管理は現場監督をする仕事で、設計は工事に関わる図面を作成する仕事です。

 

施工管理の仕事内容

結論、施工管理という仕事は超絶激務です。繁忙期は残業100時間超えで現場への寝泊まりも覚悟しておいたほうが良いです。

 

そして、具体的な仕事内容はというとこんな感じ。

 <施工管理の仕事内容>

  • 施工計画の立案
  • 安全書類など現場書類作成
  • 現場作業の立会い
  • 工程管理・進捗管理
  • 施工図などの図面修正
  • 工事現場の原価管理
  • 現場の写真撮影などの記録
  • 近隣や元請け、下請け会社との現場作業の調整
  • 部材発注や職人さん向けの発注処理 など

 

上記は大まかな内容です。実際にはそれ以外にも細々とした仕事があり、例えば事故などが発生すると再発防止のために現場作業を中断することもあります。

 

その後、現場状況の調査と再発防止の徹底策について元請けや国対して報告をしていくわけですね。

 

このように、トラブルに直面して想定外の仕事に追われることもよくある仕事です。

 

また、現場の規模が大きくなれば大きくなるほど関係者が増えてきます。

 

メールや電話で関係者に工事の進捗を連絡したり、次に行う現場作業の内容をすり合わせなければならないので結果的に残業が増えるわけです。

 

施工管理って、単純に業務量が多いとか、休みが少ないとか、立ち仕事で体力がきついとか、現場が汚くてキツいといったところがクローズアップされがちですけど、何よりもキツいのが恫喝とも言ってよいほどの罵声を浴びることだと思うんですよね

 

そのため、メンタル面で相応のタフネスさは必須要件だと思いますね。

 

なお、施工管理の仕事内容や具体的に辛い仕事内容については「施工管理はやめとけ」の理由6つ。建設業界で10年働いた私がヤバい実態を解説という記事で解説しております。興味があれば是非ともご覧ください。

 

設計の仕事内容

結論、設計も施工管理ほどではありませんけど激務です。

 

具体的な仕事内容はというとこんな感じ。

 <設計の仕事内容>

  • 平面図、立面図、仕様書などの図面作成
  • 各種図面の修正 など

 

設計の仕事はいわゆる、CADを活用して図面作成するのが一般的ですね。

 

設計が作成した図面が工事現場にいる施工管理の人間に渡り、それをもとに現場を管理していくイメージとなります

 

これだけ聞くと、「図面をPCで書くだけだから楽な仕事なのかな?」と思うかもしれませんけど、もちろんそんな甘い仕事ではないです。

 

私は実際に設計の仕事を経験したことはありませんけど、第三者から見ていて大変そうだな・・・と思うのは「納期の短さ」でした。

 

というのも、建設業界全体って皆忙しくて毎日毎日目の前の仕事をやり切るのに必死なんですよね。

 

その結果、ゼネコンもサブコンも「あぁ・・この仕事やってねぇ・・・今日やらなきゃ」という状況になってしまうので、お客様からの図面作成や図面修正依頼のメールを読むと当然のように

 

明日までにお願いいたします。(19:00受信)

 

みたいなことも実際よくありましたね。

 

本当はこういった無理難題は営業が「無理です!」と打ち返してくれれば良いんですけど、もはや業界全体が忙しすぎるので、受け入れざるを得なかったりします

 

なお、こういった建設業界の闇については別途記事で詳しく解説しております。興味がありましたら是非ともご覧ください。

✓関連記事
【やばすぎ】建設業界はおかしい!業界で10年勤めた私が理由5つと業界の闇を解説

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また、設計の大変なところとして、図面修正を依頼されたものの内容が不明確であることもよくあります。

 

その結果、図面修正するまでに何度もやり直しが発生したり、図面修正の意図を相手に確認するのに時間がかかったりします。

 

よって、黙々と図面を作成するだけの単純な仕事ではない点は抑えておくと良いでしょう。

 

2.施工管理に向いている人の特徴3選

 

施工管理に向いている人の特徴①.体力がある

上述の通り、施工管理の仕事は激務なので体力がなければ勤まらない仕事です。

 

ただ、上述の通りで施工管理の場合は肉体的な体力はもちろんのこと、それよりも重要なのは精神的な体力なんですよね

 

例えば、横浜市で2015年に発生した、三井住友建設元請け工事の「マンション傾き問題」は記憶に新しいでしょう。概要はというとこんな感じ。

 

2015年10月、虚偽データに基づいた工事が行われ、複数の杭が地中の強固な地盤に届いておらず建物が傾いている不祥事が発覚。耐震の安全性が疑われた

パークシティLaLa横浜 wikiより引用

 

本件は杭の長さが所定の長さよりも短かったり、地盤調査をしていたかのように装ったりと、要するに手抜きをするためにデータを改ざんしたことが原因なわけです。

 

もちろん、この一連の不正自体は許されるものではないですけど、元業界人として感じるのは世の中の現場監督はこういった不正に走らざるを得ないくらいに追い詰められているということ。

 

やっぱり、心身ともにタフネスさが求められる仕事であることは間違いないんですよね。

 

なお、仕事における体力の重要性については【目指せ一流】ビジネスパーソンに必要なのは心技体よりも体技心【身体が資本】という記事で解説しております。興味があれば是非ともご覧ください。

 

施工管理に向いている人の特徴②.スケジュール管理ができる

施工管理は上述の通り細かいタスクをスケジュール通りに工事を進める能力が不可欠です。

 

実際には工事が遅れて、最後は突貫になるんですけどね。

 

そして、一つの現場だけでも大変なのに人によっては複数の現場を掛け持ちするケースも珍しくはありません。

 

その一方で、工事現場でのトラブルは日常茶飯事です。

 

そういった現場トラブルが発生してしまった場合に、目の前のトラブルで他のことが考えられなくなる人は施工管理には向いていないでしょう

 

もちろん、トラブル対応は仕事において最優先なんですけど、他の現場でもその日ごとにやらなければならない仕事がありますからね。

 

いわゆるマルチタスクスキルは施工管理という仕事をやる上で極めて重要なスキルと言えるでしょう。

 

施工管理に向いている人の特徴③.交渉力がある

上記の話にも関わってくるんですけど、施工管理をしていると工事の都合で急遽発生した作業に対する費用交渉もよくあります

 

また、トラブルが発生した場合は特に元請けから無理難題をふっかけられたりするんですけど、こういった不利な局面でも主張すべきところは主張し、ロジカルに相手を納得させる必要があります。

 

そのため、交渉力の元となる以下のような強みを持っている人は施工管理に向いていると言えます。

 <交渉力が高い人の特徴>

  • 話が短くてわかりやすい
  • 相手の立場になって話ができる
  • 自分の意見を押し付けない
  • 感情的ではなく論理的に話ができる
  • 無理難題に対して、納得感ある理由を添えてNoと答えられる など

 

実は、施工管理をやっている人は「営業なんてやりたくない」って言う人が多いんですけど、実は営業と同じく営業力が求められる仕事なんですよね。

 

ちなみに、反面教師としてダメな営業マンの特徴を【安易な値引き】売れないダメな営業マンの特徴5選をご紹介【お客様は絶対】という記事で解説しております。

 

上記の記事で解説するダメ営業マンの特徴に該当しない方は、施工管理にも向いているのかもしれませんよ。

 

3.設計に向いている人の特徴3選

 

設計に向いている人の特徴①.提案力がある

結論、設計という仕事はお客様から連絡頂いた要件を具体化する仕事です。

 

そして、設計としての成果は具体化した内容を提案して採用頂くことなので、静かにPCとにらめっこのようなイメージとは裏腹に提案力が要求される仕事なんですよね。

 

そのため、過去に提案営業で成果を残している人や折衝能力がある人は実は設計に向いていると言えます。

 

設計に向いている人の特徴②.勉強熱心

建築・電気・設備など様々な業態で設計の仕事はあるわけですが、共通しているのはその時点で最適な構成を設計に盛り込むということです。

 

そのためには、最新の情報を常に収集して理解する熱心さが不可欠ですし、そういった前向きなモチベーションがなければ設計者として成功するのはなかなか難しいと言えます。

 

例えば、資格勉強に励むのが苦にならなかったり、自己啓発の習慣があるような人は設計に向いていると言えるでしょう。

 

設計に向いている人の特徴③.細かい作業が得意

結論、イメージ通り設計の仕事はPCとにらめっこでCADやBIMなどのツールを操作する時間がメインです。

 

図面を作成するにしても表示の倍率を細かく変えたり、レイヤー表示を細かく変えたりと、最新の注意を払いつつミスなく図面を描いていくPCスキルが求められます。

 

やはり、イメージ通りで設計担当者には大雑把な人よりも細かい作業を得意とする人が多いので、整理整頓をしっかりとできたり、フォルダ整理やファイリングなどの作業をきっちりとこなせる人が設計に向いているでしょう。

 

4.施工管理と設計どちらを選べば良いのか

 

結論、施工管理と設計はまったく別の仕事なので、どちらが適しているのかはあなた自身の適正によって変わります。

 

結局のところ、自分の人生は誰も責任を取ってくれませんので、悩み抜いて自分で決断することなワケです。

 

本記事でも解説した通り、それぞれで求められる適性は異なるので、後悔しない決断をしてくださいね。

 

ちなみに、私は建設業界から自動車業界に転職をして、そこから通信業界へと異業種転職を2回してきました。

 

そういった経験から感じるのは、「異業種転職は案外イケるな」ということ。ですので、第三の選択肢として異業種への転職もオススメしています。

 

実は、以外にも建設業界出身者は市場価値が高いですし、転職した後もキツイ思いをして培ったストレス耐性や泥臭い姿勢が評価されることが多いです。

 

もしも建設業界からの異業種転職に興味がある方は、そのノウハウや私の体験談を別途記事でまとめていますので是非ともご覧ください。

✓関連記事
建設業界で悩み苦しむあなたへ。10年間業界で働いた私が伝えたい3つのこと

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また、仮に異業種転職をしようと思った際に、ブラックな業界に進んでしまうのは避けたいですよね。

 

ということで、転職しないほうが良い業界についても別途記事で解説しております。こちらも合わせて是非ご覧ください。

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おわりに。

ということで、施工管理と設計のどちらが良いのか?という疑問にお答えするまとめ記事でした。

 

施工管理も設計も、結局は建設業界の中の仕事ですので、どちらも大変な仕事です。

 

ただ、適正や求められる能力は違いがありますので、自分に合っている仕事を選択するのが良いとは思いますね。

 

では今回はこの辺で。

 

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