転職活動をはじめようと思っている。
気になる求人がいくつかあるので応募したいと思っているが、現職の仕事もそこそこ忙しい中で1社毎に応募したほうが良いのか複数同時に応募したほうが良いのかわからなくて悩んでいる。
また、複数同時に応募したほうが良いなら、何社くらい同時に応募すれば良いんだろうか。面接に複数社進んで同時並行になったら対策する時間はあるんだろうか。
転職活動を視野に入れている人で、このような悩みを抱える人は多いと思います。
私自身、過去に30代で2回の異業種転職をしてきましたけれど、同じような悩みを抱えていたうちの一人です。
1社目2社目共に月の平均残業時間は30〜50時間程度と比較的多めだったので、仕事をしながら平日に転職活動を進めるのは正直とても大変でした。
もしも仕事を辞めていて転職活動に専念できる環境ならば5社〜10社応募してもなんとかなるかもしれません。
ただ、現職で働きながら転職活動するとなると、経験上面接まで進んだ同時進行は3社までに留めるのがオススメです。
今回は、転職の同時進行を3社までに留めたほうが良い理由や、同時進行で選考を進める場合のポイントなどについて、経験談をもとに解説していきます。
※本記事では一部プロモーションが含まれています
本記事の内容
- 1.転職活動の同時進行は何社までが良いか
- 2.転職活動を同時進行する際の注意点
- 3.転職活動で複数応募する際に必要な事前準備とは
1.転職活動の同時進行は何社までが良いか
上述の通り、転職活動で面接選考まで進む企業の数は3社までに留めるのがオススメです。
この前提を考えた際に、大事なのは面接前の書類選考の合格率となります。
前提:転職活動における書類選考合格率は30〜50%
あくまで一般論の数値にはなりますが、転職活動の書類選考で合格する確率は30〜50%と言われています。
ですので、同時にエントリーする会社の数は5〜10社の間で調整しておき、書類落ちが多ければ追加でエントリーを増やす形で調整するのがベストです。
ただし、この確率はあくまで一般論に過ぎません。
現職までのキャリアで突出した成果を残していたり、学歴や英語力など際立ったスキルがある人は当然書類の合格率は高めなので、こういった人は3〜5社のエントリーに留めるのが良いでしょう。
また、狙っている企業のレベルにも書類合格率は左右されます。
人気企業になればなるほどエントリーする応募者の数も増えていくので、企業にとっては複数の候補者から書類合格を出す人を選定できます。
そのため、人気企業ほど書類選考の合格率は低めになります。
「自身の市場価値」「狙った企業のレベル」などを踏まえ、大前提として同時にエントリーする企業の数は変わってくることをまずは抑えておくと良いでしょう。
転職活動で面接選考の同時進行は3社までをオススメする理由
結論、面接選考まで進んだ企業数を3社までに留めたほうが良い理由は、面接準備を入念に行う時間がないからです。
経験上、転職活動では企業研究を入念に行わないと余程のハイスペックでない限り高確率で落ちます。
そして、企業研究はいざやってみると結構大変です。具体的な中身を挙げてみるとこんな感じ。
<面接対策における企業研究>
- 企業理念を覚えておく
- 会社の業績推移、事業セグメント、業績の傾向を調べて頭に入れておく
- 求人内容から、自分の経歴の中で着目されているポイントの「予測」を付けておく
- 志望動機を考える
- 過去に応募先の面接で質問された内容をリサーチしておく
- 想定問答内容をまとめる
- 企業文化や組織構造などを調べる
- 逆質問の内容を考えておく など
こうして見ると、結構やることが多いですよね。
実際、上記の内容をやろうと思うと1社対策するのに2〜3時間くらいは最小でも平気でかかります。
今の仕事もしていて入念な企業研究なんてやってらんねーよ!
と思い、企業研究を適当に済ませて面接に臨む人も結構多いでしょう。
実際のところ、企業研究なんてしなくても面接に受かってしまう人はそれなりにいると思います。
けれど、相応の人気がある企業から内定を獲得しようとすると、企業研究に時間をかけるのは内定の必須条件とも言えます。
なぜならば、転職活動は他の応募者との相対評価で決まるものだからです。
人気企業になればなるほど、他の候補者も「何が何でも合格したい!」という気持ちが強いものです。
面接を行う企業側もそうした意気込みを少なからず感じるものなので、企業研究をしてきた候補者の中で「この人はあまり応募先のことを調べていないな」と思われると大きな減点材料になってしまうでしょう。
ですので、ホワイト企業や人気企業の面接に受かりたいのなら、時間をかけて企業の情報収集を行うことで1社1社と向き合う時間が不可欠なのです。
という前提で物事を考えた時に、経験上同時に面接対策するのは3社程度が限界だと思います。
多くの会社を同時に受けて転職活動を早く終わらせたい気持ちもあるでしょうけど、急がば回れです。
転職活動では量よりも質で攻めるべき。そういった理由から、面接に進む企業の数は3までに留めるのが無難だと思いますね。
転職の同時進行を3社に留めるデメリットは時間がかかること
結論、転職で応募する同時進行の数を3までに制限するデメリットは、内定までに時間がかかる可能性があることです。
前提として、企業研究をどれほど入念に行ってきたとしても、面接で緊張して失敗することもありますし、企業との相性などによって落ちることはあります。
私は過去に面接で4連続落ちした経験がありますけど、2〜3時間かけて企業研究した結果落ち続けてしまうと精神的にもかなりキツいです。
そういった焦りから、安易に内定が貰えた企業への入社を決めてしまう例も少なくありません。
時間がそれだけかかるということは、ストレスがかかることにもなります。
加えて、応募数を制限することで興味のある求人の応募が終わってしまう機会損失リスクも高まる点はデメリットと言えます。
ただ、こういったデメリットを考慮しても、内定を獲得するにはじっくり企業研究を行うのが近道であることは事実です。
転職の同時進行を3社までにするからこそ、応募の順番は大事
結論、転職で同時進行の数を絞るからこそ、どんな順番で応募するのか戦略が大事になってきます。
よく言われることですけど、「面接慣れ」確実にありますので、本命企業は最初の面接企業にせず2回目以降の面接になるように調整するのが無難です。
また、繰り返しですけど転職活動は他候補者との戦いであることは念頭に置きましょう。
1名採用の求人を後回しにしておくと、内定者が出てしまったタイミングで即時応募終了となるリスクがあります。
そのため、1名採用の求人は比較的早めのタイミングでエントリーすることが大事です。
一方、5名以上採用の求人であれば、早期に応募終了する可能性は低いと予測ができます。
もちろん、5名中4名の採用が決まっている場合は1名採用と変わらないわけですが、それはわかりようがないので割りきって考えたほうが経験上良いです。
このような点を考慮し、応募の順番を意識すると良いと思いますね。
同時進行の数を3社までに絞るメリットは「転職活動がバレるリスク」が低いこと
結論、面接は多くの場合9〜18時の営業時間内に行われる場合が多いです。
会社によっては就業時間が終わった18時〜19時くらいに面接をしてくれるケースがありますが、そのケースは稀です。
「営業で外回りの空き時間をうまく使う」とか、「フレックス勤務で中抜けを使う」といった感じでうまく時間を有効化できれば良いですが、そういった柔軟な働き方ができない人も多いでしょう。
その場合、不自然に半休や時間休の取得が増えてしまい周囲に転職活動を勘付かれるリスクが高まるのです。
特に、普段ストイックに仕事をしている人ほど、こういった違和感から転職活動が同僚にバレる可能性が高まるでしょう。
ですが、応募する会社の数を絞っていけば転職活動が会社にバレるリスクは最小限に抑えることが可能です。
前提として、転職活動中は「内定が貰えるかどうか」「内定を貰える時期」などは一切わかりません。
誰もが転職活動に失敗して現職で働き続けるリスクを承知のうえで転職活動しているワケなので、転職活動が会社にバレるのはかなり大きなリスクだと言えます。
転職を警戒されると今の仕事がやりづらくなりますし、周りからの目もストレスを感じるでしょう。
そして、最悪の場合は裏切り者扱いされて転職活動を妨害されるケースもあります。
そういったリスクを軽減するためにも、転職活動の同時応募数は絞ることを経験上おススメします。
なお、転職活動が周囲にバレる行動については【休暇急増】転職活動が会社にバレる行動5選を転職経験者が解説!【様子の変化】という記事でまとめております。興味がありましたら是非ともご覧ください。
2.転職活動を同時進行する際の注意点
面接は1日1社に限定する
私が不器用なだけかもしれませんけど、面接に集中して挑むのって結構疲れるんですよね。
なぜならば、面接に臨む際はそこが本命だろうが2番手だろうが「この会社で働く自分」をイメージして熱意を持って挑むから。
経験上、面接で合格するためには「スキル」「性格」「仕事への姿勢」などのポイントはたくさんありますけど、最終的にはこの人は自社に定着してくれそうな人なのか。
要は熱意を持って本当に自社に行きたいと思っている人なのか。という点が一番重要だったりするんですよね。
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【面接対策】転職活動がうまくいかない人は相手に覚悟や熱意が伝わっていない件
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こういった熱意って、結構モチベーションに左右されがちです。
仮に面接を1日複数社予定している場合、別の会社の面接に失敗したダメージを引きずってしまうリスクがありますよね。
「人の第一印象は見た目で決まる」とメラビアンの法則でよく言われますけど、この説は実際的を得ていると思います。
そう考えた際に、面接を1日複数社設定してしまうのは第一印象を悪くするという意味で避けたほうが無難だと思いますね。
転職活動では内定を獲得するのが第一の目的のはず。であれば、内定を獲得するために最善を尽くしていきましょう。
転職の軸を明確にして応募する企業は厳選する
経験上、転職の軸が明確になると応募したい企業はそんなに多くなりません。
もっと具体的に言うと、優先度です。以下のような転職に求める項目の中で、優先度を明確にしておくと良いと思います。
ココがポイント
・年収
・残業時間
・働きやすさ
・勤務地
・業界
・職種
・仕事内容 など
なぜならば、理想をすべて満たす転職先に出会う確率は極めて低いからです。
経験上、最終的には何かを捨てて何かを選ぶ時がやってきます。
そんな中で、優先度が定まっていないと後悔する選択をしてしまう可能性があります。
だからこそ、転職の軸は最初に明確にしておくほうが良いのです。
逆に、応募したい企業が20社も30社もある場合、自分が「転職してやりたいこと」「転職の優先度」などがフワッとしていると言えます。
要するに「どこでもいいや」という心境の状態と言えます。
私自身、最初の転職活動がこんな感じだったんですけど、結果的に書類選考を突破するのに苦戦しましたし1次面接では4回連続で落ちました。
今考えると、苦戦した要因も「どこでもいいや」という心境を見透かされていたんだと思いますね。
採用する側の立場になってみると、「どこでもいいや」と思っている応募者よりも「是非御社に入社したい!」と意気込む人を採用したいのは当然です。
その熱意を示すには企業研究が必要ですし、企業研究に時間がある程度かかる以上、自ずと応募する企業は絞り込まないといけません。
繰り返しになりますが、転職の軸=優先度を定めることが内定獲得の秘訣と言っても過言ではありません。
そして、転職の軸を明確にするには一人で考えるよりも他者からのアドバイスを受けるのが効果的です。
加えて、アドバイスをもらう先としてのオススメは2つです。
一つはすでに退職した元同僚からアドバイスをもらう方法。もうひとつは転職のプロである転職エージェントからアドバイスをもらう方法です。
退職した元同僚からアドバイスを貰えればベストですが、繋がりがない人も多いはず。
その場合、無料で使える転職エージェントを活用するのがおススメです。
<広告:おすすめの転職エージェント>
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<2023年3月30日時点での情報>
経験上、ひとまずこのあたりに登録しておけば問題ありません。
また、転職エージェントを使うメリットを列挙するとこんな感じ。
転職エージェントを使うメリット
■自分では探すことができない非公開求人を紹介してもらえる
■企業の内情や採用の背景を教えてもらえる
■職務経歴書や履歴書などの書類添削をしてもらえる
■模擬面接練習や面接時の過去QAなどの情報共有をしてもらえる
■面倒な応募手続き、面接の日程調整などを仲介してもらえる
■あなたのセールスポイントを企業にPRしてくれる など
そして、これだけの支援をしてくれるにも関わらず無料な点は使う側にとって大きなメリットです。
転職の求人は椅子取りゲームと同じです。
あっ。この求人興味がある。入れるなら入りたいなぁ・・・
と思っていて毎日を過ごしていたら、「求人の応募は終わっていた」なんてことはよくある話。
ですので、もしも転職をしたいと思うのなら、プロの知見をいち早く得られるように早めに登録するのがポイントだと思います。
なお、詳しくは下記の記事で解説しておりますので、是非ともご覧ください。
-
おすすめ転職エージェント6選!30代で2度異業種転職を経験した筆者が徹底解説
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3.転職活動で複数応募する際に必要な事前準備とは
結論、転職活動での同時進行を複数社進めていると、自分の時間に余裕がなくなりかねません。
本来自分の気持ちに余裕を持たせるために複数社同時に応募していたにも関わらず、自分の首を締めかねませんので転職活動を成功させるためには計画的な応募は不可欠といっても過言ではありません。
そして、経験上複数社同時に応募する際の注意点は2つありまして、1つ目が「ブラック業界や将来性のない業界以外を選択すること」2つ目が「企業の実態を入念に調べておくこと」になります。
ブラック企業への転職を避けよう
当たり前のことですけど、ブラック企業への応募は避けましょう。
なぜかと言うと、ブラック企業は一般的に内定を貰うのが簡単であり、かつ入社への催促が比較的あるからです。
大前提として、誰もがブラック企業に入社なんてしたくないはず。
けれど、ブラック企業になればなるほど人が辞めていくので、あの手この手でブラックである事実を隠して求人を募集しているのです。
転職活動時は人事の印象も良く、「まさかこの企業がブラック企業だなんて・・・」と思うようなブラック企業も多いでしょう。
その結果、多くの人がブラック企業に釣られてしまって入社してしまうことになります。
そして、このケースの一番のリスクは同時進行している他社を辞退してブラック企業へ入社してしまうことです。
同時進行している会社の中にはホワイト企業があったかもしれないのに、自分から泥舟に飛び込むなんて笑えないですよね。
こういったリスクに対して、求職者の味方である転職エージェントにブラック企業リサーチの役割を期待する人も多いと思いますが、この役割を転職エージェントに期待するのは若干リスキーだと思います。
なぜならば、彼らの仕事は転職したい人を企業に入社させて、インセンティブ手当を企業から貰うことだからです。
悪く言えば求職者は転職エージェントにとって商品でしかありません。
タチの悪い転職エージェントの場合、入社しさえすれば後のことなんて知ったことではないと思われている可能性だってあるでしょう。
ですので、ブラック企業から身を守るには自分で見極める他ありません。
そして、ブラック企業の多くは業界自体がブラックであることがほとんどですので、大事なのは「ブラック業界を選択しない」ことだと思います。
なお、私が考える転職しないほうが良い業界は以下の11つです。
転職しないほうが良い11業界
1.建設業界
2.運送業界
3.ブライダル業界
4.警備業界
5.自動車業界の下請け
6.飲食業界
7.人材派遣業界
8.銀行業界
9.介護業界
10.印刷機器業界
11.広告代理店業界
その理由については、【2023年】ブラック企業経験者が転職しないほうがいい11業界と理由を解説という記事で解説しておりますので、興味があれば是非ともご覧ください。
企業の実態調査には転職口コミサイトがオススメ
結論、転職してからは大なり小なり「この会社、思っていたイメージとちょっと違うな・・・」というミスマッチが生じてしまうわけですけど、できることならミスマッチは最小限に留めたいですよね。
そういったミスマッチを防ぐという意味では転職口コミサイトの活用がオススメです。
なぜならば、口コミサイトでは実際に働いていた従業員もしくは現職の社員が書き込みをしているので、情報にも一定の信頼性があるから。
こういった口コミサイトの企業評価があまりにも低かったり、口コミで書かれている内容とあなたのイメージに乖離が大きいようであれば、思い留まったほうが無難かもしれません。
ちなみに、私が実際に使ってみて信頼できると思ったサイトは2つで転職会議とOpenWorkです。
これらのサービスは100万人単位で会員数も付いていますし、実際に勤めた企業の口コミを見ても、「そうだよね。」と思える内容が多かったですね。
なお、各サービスの個別記事で評判や信頼性については詳しく紹介しておりますので、こちらも登録前に確認しておくのがオススメです。
■【結論オススメ】OpenWorkの評判は?実際に活用した経験者が解説します
おわりに。
ということで、転職を同時進行で進める場合の注意点等のまとめ記事でした。
同時進行で進める場合と1社づつ進める場合、どれもメリット・デメリットがあるわけですけど、スピード感と内定獲得のバランスが取れているのは上述の通り同時に3社くらいだと思いますね。
早く転職活動を終わらせて楽になりたいのでたくさん申し込みたい!という気持ちはとてもわかります。不安ですよね。
ただ、そんなときこそ急がば回れです。内定を取得することを優先に考えて確実に一歩一歩進んでいきましょう。