【目的の理解】部下に自分で考えて仕事させるための方法とその効果とは?

2021年7月9日

「ちゃんと考えて仕事をしろ!」

 

リーダーや管理職の皆さんであれば、1度や2度に留まらず、100回以上はこういったシーンに巡り合ったことがあるでしょう。

 

私が20代の頃を思い返すと、このセリフを言われて「いやいや、考えてるっつーの!」と腹が立った記憶がある一方で、30代を迎えてチームをまとめる立場になった今となると「皆考えて仕事しろよ・・・」と思うこともしばしばあるのは否めません。

 

結論、この「お前ら仕事のやり方考えろ問題」は日本中で毎日何千何百万回の繰り返されている事象であり、数多くのリーダーが悩んでいる課題でもあるのではないでしょうか。

 

ということで今回は、そういった悩めるリーダーに向けた記事として、部下が思考停止とならず、考えて仕事をさせるための指導法について私見を書いていきます。

 

本記事の内容

  • 1.部下に考えて仕事をさせる指導法は「背景」と「目的」を明文化させること
  • 2.目的意識が高いと行動が変わる
  • 3.目的を理解する効果とは

 

1.部下に考えて仕事をさせる指導法は「背景」と「目的」を明文化させること

結論、部下に考えて仕事をさせるには「背景」と「目的」を明文化させることが有効です。

 

これは実体験から感じることでもあるのですが、私は2社目に転職した際、超絶厳しい役員から直接指導(というか詰められるというか・・・)してもらうシーンに数多く直面していたんです。

 

その役員の口癖は「目的」。

 

目的とは、すなわち「何のためにこの仕事をするのか?」ということですよね。単純なことではありますが、意外と見落としがちなのがこの点です。

 

そして、一つ言い切れるのは「考えて仕事をしろよ」と上司に思われてしまう部下は、仕事の目的を理解していないです。

 

何のためにこの仕事をするのか、その背景と意図を汲み取っていないものだからトンチンカンな行動になってしまうし、上司の期待に応えることが難しい。こういった構図ですね。

 

経験上、悲しいことに目的を理解する癖のない部下に「考えろ!」と指導しても成果に繋がらないんですよね。彼らなりに考えているのかもしれないのですが、努力のアプローチ方法が間違っているのがあるある事象です。

 

ですので、まず目的から入る癖を身体に叩き込むこと。これが、厳しい役員から私が叩き込まれた仕事のやり方です。

 

そして、目的を理解するには仕事背景の理解も必須です。よって、考えない部下に対しては「背景」と「目的」をことあるごとに明文化させて、部下が意識せずとも目的を考える習性を身に着けさせることをオススメします。

 

2.目的意識が高いと行動が変わる

結論、目的を理解するのは重要であり、加えて目的の感度を高く持つことも同じくらいに重要です。

 

意識が変われば●●が変わる。こういった名言を聴いたことはありませんか?

 

もとの原文はヒンドゥー教の教えのようですが、元ヤンキースの松井秀喜さんだったり、故野村克也さんだったり、この原文をアレンジした著名人は多いですよね。

 

意識が変われば行動が変わる

行動が変われば習慣が変わる

習慣が変われば人格が変わる

人格が変われば運命が変わる

ー野村克也 公式名言集よりー

 

これにちなんで申し上げると、目的が分かると意識が変わり行動が変わります。関連した話として、イソップ寓話「3人のレンガ職人」の話をご紹介しますね。

 

    • 世界を回っている旅人は、旅の中で3人のレンガ職人に出会った。それぞれの職人に何をしているのかと聞いてみるとこのような答えが返ってきたのである。

    • 1人目:「レンガ積みに決まっているだろ」
    • 2人目:「大きな壁を作っているんだよ」
    • 3人目:「歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!」

 

この中で、誰が最も目的意識が高いかというと、きっと皆さん誰もが3人目だと答えますよね。

 

1人目の人は、目的がレンガ積みですので発展性がありません。2人目の人も、レンガ積みの延長線上までの発展性です。それに対して、3人目の人は、きっと構造物が完成した後に人々が感動する姿まで想像できているのでしょう。

 

そう。目的意識が高くなると、結果として仕事のプロ意識も高まっていくのです。

 

例えば、3人目の人であれば目的意識が大聖堂の構築ですので、レンガ積みの積み方のよるデザイン性の向上だったり、耐久性の高いレンガ積みの手法だったりを追求するかもしれませんよね。

 

そういった前向きな姿勢は良い意味で周囲にも伝搬します。そんな姿勢はさらなる高みを目指してチーム同士が試行錯誤するような組織作りの土台になり得るでしょう。

 

目的意識を高く持つことは、仕事の質を高めますし、チーム力向上にも繋がるのです。

 

3.目的を理解する効果とは

これまで、しつこいくらいに目的の重要性を説いてきました。ここからは、目的意識を持ち目的を理解することの効果を解説していきます。

 

会議や打ち合わせが円滑に進む

皆さんが日々仕事で行っている会議や打ち合わせ。出席していて、「この打ち合わせ無駄じゃないか?」と思った経験は誰しもがあるはず。

 

これはなぜかというと、出席者が何のための打ち合わせなのか、つまり目的を理解していないからなのです。

 

主催者は当然目的を理解しているわけですが、センスのない人は何の前フリもなしに、打ち合わせを始めて本題に入ってしまいがちです。

 

そうではなくて、

 

本日の打ち合わせ目的は「共有です」とか「この2点を決定したい」

 

といったように、最初に目的を伝えることが重要です。最初に目的さえ共有しておけば、聞く側もポイントを踏まえて打ち合わせに臨むことができますよね。

 

結果、主催者側も円滑に会を進めることができるため、目的を結論から伝えることは主催者・出席者ともにwinwinのアクションなのです。

 

周囲から一目置かれる

会議や打ち合わせが円滑に進む話とリンクするのですが、目的意識が高い人は打ち合わせなどをはじめとした「合意」や「意思決定」を効率よく行うことができるので、周囲から一目置かれた存在となります。

 

結果、上司をはじめとした周囲からの評価も得やすく、仕事を任せてもらえることから、しだいに仕事の自由度が高まっていきます。

 

目的を理解することは、仕事を楽しくするための一手法でもあるのです。

 

おわりに。

ということで仕事を考えて行わせるための指導法と効果というまとめ記事でした。

 

今回お伝えした厳しい役員との付き合いはおよそ半年でしたが、人生今後こんな人と出会うことはないだろうなと確信するくらいの強烈なお方であり、精神的なストレスと引き換えに得るものも莫大だったと今では思います。

 

ちなみに、この役員は典型的な否定論者だったためにそれもキツかったわけですが、そんな否定してくる人向けの対処法について【どう付き合う?】否定から入る人の特徴5つと対処法【上司、先輩】という記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

 

何のためにやるのかわからないような、やらされ仕事なんて面白くないですよね。指示された仕事であっても、目的を理解することで視野が広がり見える景色が変わります。

 

本記事がそんな工夫の一助となれば幸いです。

 

それでは今回はこの辺で。

 

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