企画の仕事って何だか面白そう。新しい商品やサービスを世に打ち出す仕事なので、現場のような泥臭い仕事ではなくクリエイティブで華やかなイメージを持っている。
こういった理由から、企画の仕事に憧れを抱いていたり、興味を持ったりしている人は多いのではないでしょうか。
私は、新卒入社した会社で約10年間セールスエンジニアとして現場で泥臭く勤務した後、2回の転職を挟んで約4年間企画の仕事をしています。
そんな私から一言。皆さんが思っているほど企画ってキラキラした仕事じゃないですよ。
なぜならば、企画という仕事は庶務雑務などの仕事を一身に請け負ってしまい、担当者は「こんなの企画の仕事なのかよ・・・」という思いをすることがよくあるからです。
ということで今回は、そんな私が企画という仕事の辛いところを中心に解説していきます。
※本記事では一部プロモーションが含まれています
本記事の内容
- 1.企画職の仕事が辛いと感じる6つの場面
- 2.企画の仕事に向いている人の特徴4つ
- 3.企画の仕事をして実感した3つのこと【体験談】
- 4.企画の仕事をするための方法
1.企画職の仕事が辛いと感じる6つの場面
その①.現場の社員から舐められる
結論、現場の最前線で働いている社員ほど企画職のことを下に見ている場合が多いです。
なぜならば、現場で働く社員が一番キツい思いをしているから。
そのため、現場で働く人達は「自分達が一番頑張っている」というプライドがありますし、バックオフィス系で働く人には負けたくないという思っている人が多いです。
「事件は現場で起きている」とはよく言ったもので、現場で働いている人達が一番「お客様が求めているモノ」を理解しているものです。
そのため、企画職の社員が現場で働く人達から「何も知らない奴らが机上論で企画してきたぞ」という目で見られてしまうことは企画あるあるです。
結果、現場で働く社員にキツくあたられ、強いストレスを感じてしまうのが企画職の辛いところと言えるでしょう。
ただ、逆に言うと現場経験のある企画の人は強みが生まれます。
「現場の経験を踏まえて事情を理解している」人は、現場から一目置かれる存在になり得るでしょう。
その②.企画を通すための調整業務に追われる
結論、企画の仕事は関連部署が多いので、意思決定を円滑に行うための根回しや調整業務が多いです。
部署が変われば利害関係も変わってきますので、企画内容を説明して合意を得るには相手の立場に即した説明が必要であり、わかりやすい説明や納得感のあるプレゼン力が求められてきます。
説明が上手な人は良いかもしれませんが、説明下手だったりコミュニケーションが苦手という方は企画職ではそれなりに苦労するでしょう。
そして、調整する部署が多いがゆえに企画担当者が板挟みにあったりすることも少なくはありません。
<企画担当者が板挟みにあう例>
- 営業部門に相談してOKが出た内容を開発部門に相談したらNGが出た
- 部署間において上司同士の仲が悪い
- 役員会議でちゃぶ台をひっくり返された など
私も結構経験してますけど、板挟みって結構キツいんですよね。
人間なんだかんだで感情的な動物なんだなぁと思います。
前職は特に上司同士の仲が悪い職場だったので、結構板挟みの調整をすることは多かったですね。
その③.”売れる”という根拠を説明しなければならない
結論、自分が企画したモノが”売れる”根拠を説明しなければならないんですけど、これが一番キツいかもしれません。
現場の辛さが「出来上がったものを拡販していく」ことであるのに対して、企画の辛さはまさに「生みの苦しみ」なワケです。
何よりも辛いのが、企画職になると”売れる”根拠を説明する相手がはるか格上の役員レイヤーだったりするんですよね。
企画する商品やサービスの規模感が大きければ大きいほど、会社の業績に与えるインパクトも大きくなります。
ですので、企画として成功する=会社上層部から承認を取得するスキルを高めるという構図は避けて通れないのです。
やはり役員級の会社上層部となると数字にも強いですし、ビジネス経験も豊富で鋭い目線を持ち合わせているもの。
このハードルを超えるためには、かなり綿密に市場調査を行う必要がありますし、論理的に説明できるロジカルさや分析力も要求されます。
結論、こういった経験をすることでビジネス力は向上していくワケですけど、やっている最中は必死の一言でしたし、残業も多くなるので辛かったですね。
その④.一つの仕事における期間が長い
担当するプロジェクトにもよりますけど、特に商品企画の仕事は企画してからサービスや商品が世の中にリリースされるまでの期間が長いです。
そのため、意にそぐわぬプロジェクトを担当する場合、モチベーションを保つのが困難だったりします。
なお、私はこの理由で会社を辞めました。
私は35歳の時に足掛け3年の大型プロジェクトの担当を命じられたんですけど、正直「このプロジェクトでお客さんは喜ぶのか?」という疑問があったんですよね。
私はそんな体験をしているので、会社の方針と自分の考えが合わない理由での転職も良いと思っています。
その⑤.成功した理由が分かりづらい
結論、企画したサービスが世に出て成功したとしても、その理由は「企画力」なのか「営業力」なのか判別が難しかったりします。
そのため、自分が苦労に苦労して手掛けたサービスだったとしても、手柄は営業部門に持っていかれるといった例も珍しくはありません。
企画してから目に見えてサービスが売れるまでは評価されにくいにも関わらず、いざ売れたとしても成果が認められず評価に反映されないとなると辛いですよね。
このように、結果が分かりづらい点が企画職の辛いところと言えるでしょう。
その⑥.雑務の仕事が多い
営業、工事、開発などの業務範囲がある程度明確な仕事とは異なり、企画の仕事は業務範囲が広い点が特徴です。
企画職で多くの人がイメージするのは「商品企画」や「サービス企画」のためのマーケティング活動でしょう。
ただ、私の実体験ではそれ以外の仕事が一日の2割3割を占め、下手すると企画以外の仕事で1日が潰れることもありました。
その具体例を挙げるとこんな感じ。
<企画担当者が行う雑務の例>
- 社内システムが変わったことによるルール整備
- 新人研修などのスケジュール調整
- 請求書や注文書などの書類の取りまとめ
- 監査や年末調整書類などの社内周知の部内展開
- 部会などの事務局およびスケジュール調整
- 社内会議の議事録作成
- 他部署との定例会議のメンバー調整やスケジュール調整 など
経験上、会議の事務局や役職者とのスケジュール調整が多く、役職者の急なスケジュール変更に振り回されて他部署の人に急なスケジュール変更を周知することもよくありました。
当然、そうなるともともとスケジュール確保していた人たちから文句を言われたりもするワケですが、
そんなこと私に言われても仕方ないじゃん・・・
と思ったものです。
こういった雑多な業務は実際多いと思うので、企画という仕事にあまりキラキラした幻想を抱くのはリスキーだと思いますね。
2.企画の仕事に向いている人の特徴4つ
特徴①.柔軟な考え方を持ち合わせている人
結論、企画の仕事では上述の通り各所との調整業務があります。その過程で、様々な指摘やダメ出しをもらうこともしばしばあるんですよね。
こういったシーンで感情的になってしまい、企画した内容の正当性を強く訴える人がたまにいますけど、経験からするとこれは逆効果です。
前提として、完璧な企画なんてほとんど作れないわけです。
ですので、他部門への相談で頂いた指摘は客観的な目線で受け止め、「あぁなるほど。そうかもしれないな」と思えるような柔軟さが大事です。
もちろん、自分の企画にプライドやこだわりを持つことは大切なことです。
ただ、こだわりを持つことと自分の考えに固執して相手のアドバイスを聞き入れないのは別の話。
やっぱりですね。自分の立場を俯瞰して見れるようなバランス感覚ってビジネスマンとして大事ですよ。
優秀な人材ほど、押すべきシーンと引くべきシーンを見極めて使い分けています。
「急がば回れ」って言葉がありますよね。この格言通りで、自分が不利だと感じた時には一旦引いてみるというのもデキる企画マンのテクニックと言えるでしょう。
特徴②.タスク管理がきちんとできる人
企画という仕事は、関係各所が多いので情報共有のタイミングなどを含め、細かいタスクの数が山盛りです。
そのため、企画をローンチする時期から逆算して、タスクをスケジュール通りに遂行していく管理能力が求められます。
そういった点からいわゆる「しっかりしている人」というのは企画職に向いているでしょうね。
特徴③.相手の立場を尊重できる人
どんな仕事でもそうなんですけど、特に企画の仕事は相手から理解を得られないと仕事が終わらないので、相手を納得させる能力が不可欠です。
相手に納得してもらうためには、相手が抱える課題は何なのか、求めていることは何なのか。などについて寄り添う姿勢で接することが大事です。
この能力が高い人は企画職として重宝されること間違いなしでしょう。
やっぱり、相手の立場で物事を考える能力はビジネスマンとして極めて重要と言えます。
これに関してはビジネスで相手の立場に立って考える3つのメリットとは【実践する方法も解説】という記事で詳細を解説しておりますので、興味があれば是非ともご覧ください。
特徴④.仕事の守備範囲が広い人
企画という仕事をしていると、「これってどの部署の仕事なんだろうか?」という仕事がしばしば降り掛かってきます。
例えば、職場内のフロア移転に伴う引越しの管理だとか、突然やってきた売り込みの対応だとか、部署内の定例会議のスケジュール管理だとか色々です。
明確に自部署の中で総務課や庶務課があれば別なんですけど、それ以外の場合、誰の業務でもないような仕事は「企画にやらせるか」となりがちです。
そのため、仕事の業務範囲を自分の中で決めてしまい、それ以外の仕事が舞い降りた際には拒んでしまうような人は企画には向いていません。
逆に、担当が不明確な仕事も進んで拾っていくような姿勢がある人は企画で活躍できる可能性が高いでしょう。
3.企画の仕事をして実感した3つのこと【体験談】
私は2018年で企画の仕事に転職し、今現在に至るまで現在進行系で企画の仕事をしています。
それまではゴリゴリの営業畑で約10年間営業技術職をしていたんですけど、企画の部門になると営業とは違う筋肉が必要になります。
上述の通り、企画という仕事はキラキラしたイメージとは違って実は雑多な仕事も多いですし、板挟みの仕事も多いので大変な側面もあります。
ただ、企画の仕事は本当に面白くてやりがいがあるため、やってよかったなって思っています。その理由はというとこんな感じ。
<企画の仕事をして良かったと感じる理由>
- 数字に強くなった
- 全体を俯瞰して物事が考えられるようになった
- 納得感の得られる説明ができるようになった など
企画をして良かった点①.数字に強くなった
会社員として出世を目指すならば、自部署の売上、粗利益をはじめとした数字に強くなければなりません。
企画の仕事をしていると、企画したサービスが会社業績に及ぼす影響などを予算取りのタイミングなどで会社から承認を得る必要があります。
そのため、管理職に必要となる数字の強さが自ずと身につく点は企画の仕事をしてよかったことだと感じています。
なお、今の若手には管理職になりたくない人が8割と言われています。
その理由と管理職にならないデメリットは管理職になりたくない人は8割!その理由4つと管理職にならないデメリットとはという記事で触れております。興味があれば是非ともご覧ください
企画をして良かった点②.全体を俯瞰して物事が考えられるようになった
私は過去に10年間営業技術として働いてきましたけど、その時の目線は「自分が担当している案件が成功するか失敗するか」のみでした。
この目線自体はおかしいものでもないんですけど、企画をしていると一つの案件に偏って考えるのではなく、全体を考えた意思決定が必要となります。
例えば、Aという客先から個別の特別対応を依頼されたとしましょう。
企画の仕事をしていると「A社の特別対応を受けた時に他の案件で失うもの」を天秤にかける必要があります。
そのため、企画の仕事をしていく中で視野が広がった点は企画をしてみてよかったと感じる点ですね。
企画をして良かった点③.納得感の得られる説明ができるようになった
結論、管理職や経営陣は実力もありますので少々のことでは納得させることができません。
感覚的には、営業でお客さんを納得させるよりも企画を通すのに経営陣を納得させるほうが数倍難易度が高いです。
そのため、判断を仰ぐ際に「他社動向」「世の中の取り巻く環境」「今の自社の現状」「企画したサービスが狙う販売領域」など、意思決定に必要となるデータを収集し、納得感ある説明力が企画には必要です。
私自身この点は未熟でして、現在進行系でこの点は勉強しながら取り組んでいます。
ただ、少なくとも営業技術時代にはこういった経験はありませんでしたので、自分の説明の質を高めるという意味で企画の仕事をして良かったと感じています。
なお、このように難易度の高い経営陣への承認取得は、周囲の意見を聞きながら自分の企画をブラッシュアップすることが大切だと思っています。
逆に、周囲に相談ができない人は企画には向いていないとも言えます。
その詳細は【仕事遅い】仕事で上司や同僚に相談しない人が損する3つの理由【残業多い】という記事で解説しておりますので、是非ともご覧ください。
4.企画の仕事をするための方法
これまで企画の仕事の辛いところを中心に解説してきましたけど、実際に自分が企画した商品やサービスが世の中にリリースされたときの達成感はすさまじいものがあります。
ですので、調整力や現場経験などが豊富な人にとって企画職は本当にイチオシの職種ですね。
ただし、結論から言うと企画の仕事ってそもそもが狭き門なので、社内で異動希望を出したとしても中々実現できなかったりします。
そのため、どうしても企画の仕事がしたいのであれば、転職して企画のキャリアを積み上げるのがオススメです。
ですが、上述の通り企画の仕事は狭き門なので、転職求人も複数名採用しているケースは稀です。ほとんどの場合は1名採用なんですよね。
そう考えますと、「まぁ採用してもいいかもな」くらいの企業評価だと内定獲得は難しく、「この人は絶対に採用したい!」と企業に思わせるくらいの面接対策を行うことが内定への近道と言えるでしょう。
その前段には入念な企業研究が必要ですよね。企業の社風や抱えている事業課題などをリサーチしていくことが狭き門をクリアする手法となります。
そして、企業研究へのオススメのアクションは2つで、一つは転職口コミサイトの活用、二つは転職エージェントの活用となります。
転職口コミサイトの活用
転職活動において、企業研究のすべてをホームページで実施する人は実際大多数だと思います。
もちろん、ホームページには企業理念や事業内容などが公開されているので、これだけでも十分ではありますけど、内部からの生の声が最も企業の強みや弱みを捉えているはずですよね。
転職口コミサイトの良いところは、実際にその企業で働いていた従業員や現職の従業員による生の声を入手できることです。
外から見ていたら素晴らしい会社だったけど、中から見たらひどい会社だったという場合もありますし、逆の場合もあるわけです。
ちなみに、転職を過去に2回経験した私が実際に使ってみて信頼できると思ったサイトは2つ。転職会議とOpenWorkです。
これらについては、会員数も百万単位で実績のあるサービスです。さらに、費用もかかりませんので安心して活用可能だと思いますよ。
なお、各サービスの個別記事で評判や信頼性については詳しく紹介しております。こちらもぜひご覧ください。
■【結論オススメ】OpenWorkの評判は?実際に活用した経験者が解説します
転職エージェントの活用
企業研究という面でも転職エージェントの活用はオススメですけど、それ以上に様々なメリットが多数あります。
企画職への転職に限らず、転職を希望するならば転職エージェントへの登録は「とりあえずやっとけ」レベルの話だと思いますね。
なぜかと言うと、面倒な事務手続きをすべて代行してくれることに加え、転職相談や求人紹介も行ってくれるにも関わらず無料だからです。
加えて、転職エージェントには企業担当者がいますので、企業の強みや弱みだけでなく、過去の合格者のデータに基づく面接でのアピールポイントなども情報収集できますよ。
なお、私がおススメする転職エージェントについては【転職経験者が厳選】20~30代向けおすすめ転職エージェント4選とその理由という記事で解説しています。
そして、企画の求人は1名限りの場合が多く、狭き門をクリアする必要があります。
よって、応募者の中でNo1のアピールを面接で行う必要があるわけです。
そう考えた時に、イチオシな転職エージェントがJACリクルートメントです。
結論、JACリクルートメントの個社向けサポートは圧倒的です。
なぜならば、JACリクルートメントはエージェントの企業担当と直接コミュニケーションが取れるから。
通常、転職エージェントでは
「求職者→エージェント担当者→企業担当者→企業」
という流れのコミュニケーションですが、JACリクルートメントの場合は
「求職者→企業担当者→企業」
というコミュニケーションを取れるのがメリットです。
結果、企業が欲している人材や求人の背景、さらには過去面接において「〇〇の回答をした人は落ちている割合が高い」など、求職者にとって極めて重要なアドバイスをもらえたりすることもあります。
ですので、行きたい企業がある程度決まっていて、かつ企画にこだわりを持つ人はJACリクルートメントがおススメですので登録して活用してみることを推奨しますよ。
おわりに。
ということで、企画という仕事の実態や企画職に向いている人の特徴などをまとめた記事でした。
企画職は皆さんが思っているほどキラキラした仕事ではありません。
ただ、サービスや商品を生み出すために苦しみがあるからこそ、自分の手掛けた仕事が世に出ていったときは人一倍嬉しさを感じられる仕事でもあります。
あとは、「企画して終わり」ではなくて企画したサービスを運用するところまで配慮できるかどうかが大切です。
これが出来るか否かで、「現場で働く人から評価されるか」が決まると言っても過言ではありません。
そういった意味でも、現場で働いた経験があるのか否かは企画という仕事において重要だと思いますね。
結論、企画職は泥臭いけどやりがいも感じられる楽しい仕事だと思います。ぜひ、企画をして価値あるサービスを創出していきましょう!
今回は以上です。