少しの失敗やちょっとした注意で気落ちしてしまう部下がいる。どんな接し方が正解なのだろうか?正直めんどくさい。
こんなことでお悩みのリーダーは多いのではないでしょうか。
部下のメンタルが弱い場合、上司はさまざまな対策を考え実行する必要があります。
対策を取らずに部下と接し続けると、最悪の場合は退職や休職といった事態に発展し、自分に責任が跳ね返ってくることもあるでしょう。
ただ、結論から言うとメンタルが著しく弱い人を必要以上に気にかけてあげる必要性なんてありません。
なぜならば、メンタルが極めて弱い人をケアし続けるのは管理者の負担が大きいですし、前提としてメンタルが弱すぎる人はそもそも大して職場に貢献していないからです。
一方で、メンタルが弱い人ほど「自分を気にして欲しい」欲求が強いので、たまにの声掛けで状況が改善するのも事実です。
今回の記事は、現在チームリーダーを勤める私がメンタルが弱い部下への接し方や対処法について解説していきます。
本記事の内容
- 1.メンタルが弱いめんどくさい部下の見分け方5点
- 2.メンタルが弱い部下の対処法
1.メンタルが弱いめんどくさい部下の見分け方5点
見分け方その①.ネガティブ
結論、メンタルが弱い人は往々にしてネガティブであり、手がかかるめんどくさい人です。
また、ネガティブであるが故に、周囲のことを必要以上に気にして比較します。
そして、周囲と自分を比較して「自分は全然ダメだ・・・」と言った感じで落ち込んでネガティブに陥るという悪循環は結構あるある事例と言えます。
メンタルが落ちるとそれが行動にも表れますので、周囲からすると「ケアしないとマズいのかな・・・」という雰囲気になるのもよくある話です。
その結果、上司が何とかしようと詳しく話を聞いたりするのはよくある話だと思いますが、経験上これはあまり効果がないです。
例えば、「頑張ったね」と褒めたとしても、ネガティブな人はこの言葉を逆手に取って「全然自分は頑張ったとは言えない。きっとお世辞を言われている。」と被害妄想に至る可能性があります。
加えて、一度詳しく話を聞いてしまうと二回目・三回目と機会がすぐに訪れますし、メンタルが弱い部下もそれを当然と思ってしまう可能性があります。
ですので、何があったか話は聞きつつも、必要以上に傾聴する必要はなく、割と淡々と話を聞くというスタンスで臨むのが無難でしょう。
見分け方その②.指示待ちの姿勢
メンタルが弱い人は基本的に自信がありません。
ですので、仕事において自分の判断で仕事をすることを恐れる傾向にあります。
また、過去に自分の判断として行動した結果ミスをしてしまい、結果として指示待ち人間になってしまった場合もあるでしょう。
いずれにしても、メンタルの弱い人はプレッシャーに弱く、責任を負うことを恐れる傾向にありますので指示待ちの傾向が強いです。
なお、指示待ちで言われたことしかできない人の傾向については仕事で言われたことしかできない人の特徴3選と指示待ち部下を持った体験談という記事で特徴などを詳しく解説しております。興味のある方はこちらも是非ご覧ください。
見分け方その③.自己主張をしない
自己主張が苦手なのも、メンタルが弱い人の特徴です。
指示待ちの姿勢にも共通するところですが、根底としては、自分の意見を述べることによって他人にどう思われるのか不安を抱えているのです。
「自分の意見を言ったら、気分を害してしまうかもしれない」「嫌われるかもしれない」などと、周囲に意見を否定されて傷つくことを異常なまでに恐れてしまいます。
こういう人ほど、普段自分の思うことを表に出せないので、承認欲求が満たされていない傾向にあります。
ですので、こういう人にはさりげなく一言褒めてあげたりするとうまくいったりすることが多いですね。
見分け方その④.愚痴が多い
メンタルが弱い人はストレス耐性が低いので、愚痴が多い傾向にあります。
愚痴に結びつくようなマイナスの出来事に敏感であり、マイナスな出来事をあれやこれやと自分の中で分析して膨らませてしまうのです。
例えば、同僚から注意などを受けると相手の意図以上に傷ついたり逆上したりします。
そうして傷ついたメンタルに耐え切れず、第三者から見るとささいな出来事だったとしても愚痴をこぼしてしまう傾向にあります。
大前提、愚痴ってマイナスの感情ですので聞いているだけでも辛いですよね。
そして、メンタルの弱さから繋がる愚痴は聞いている側も
そんなに言うほどの事なのか???
という内容がほとんどですので、結果的に周囲から「めんどくさいなこの人」と思われてしまうのです。
そうなるとどうなるか。結論、周囲から嫌われます。だってそんな奴ウザいもん。
なお、愚痴をこぼす人の特徴などについては【他責】愚痴が多い人の心理と特徴3選。彼らが失っているモノとデメリットを解説という記事で解説しております。こちらも是非ご覧ください。
見分け方その⑤.他責思考
メンタルが弱い人は往々にして他責思考の傾向にあります。
成功したときは、「自分のおかげだ」と考えるものの、失敗したときは他に責任を求めてしまいます。
なぜならば、失敗が自分の責任であることを認めると、メンタルが壊れてしまいそうになるからです。
例えば、プロジェクトが上手くいかなくなると、その空気をいち早く察知し、「原因は自分にはない」「リーダーのマネジメントのせいだ」「戦略が悪い」など無責任な態度を取りがちです。
自分も当事者の一人であるため、課題をチームに共有し、改善策を前向きに実行するという気持ちを持つことや行動を起こすこともしません。
周囲からの反発が怖くて事なかれ主義を貫き、前向きな衝突や面倒事を無意識に避けてしまうのです。
そのような姿勢から、上司や同僚からの評価も得られないでしょう。
2.メンタルが弱い部下の対処法
これまで、メンタルが弱い人の特徴についてまとめてきました。正直メチャメチャめんどくさい部下ですよね。
とはいうものの、上司たるものめんどくさい部下も戦力として上手く活用しないといけません。
まず、根本のところで「メンタルを強くする」というのが解決策なのですが、30歳を超えた年齢であれば現実問題ほとんどが無理でしょう。
というのも、メンタルの弱さはもはや性格の一部といっても過言ではないからです。
一方、社会人経験の浅い20代の若手であれば、まだ可能性はあります。
この場合の対処法は、「ノートに気持ちを整理させる」ことを習慣化することです。
テキサス州にある南メソジスト大学のペネベーカーらの実験によると、
「1日15分、ネガティブな感情について筆記すること」を4日間続けると、長期的にはポジティブになる
ことが示されています。
最も難しいのが、部下に「あなたはメンタルが弱いので改善が必要」と伝えるところであり、ここは上司の能力が問われるでしょう。このご時世、一歩間違えればパワハラにもなってしまいかねないからです。
では、30歳を超えてメンタルが弱く、仕事ができない人の対処はどうしたら良いのか。ホリエモンこと堀江さんは自身の1Youtubeチャンネルでこう答えています。
「若い部下がプライベートを優先しているようで、仕事に集中できていないように思います。どうすればよいでしょう?」
堀江「本人にやる気がないなら、放置するのが一番ですよ」
「いやいや。もはやマネジメント放棄ではないか!」と感じた人もいるでしょうが、実はこの考えは的を得ていて、効率的とも言えます。
もはや、終身雇用で会社に入社した人材を必死に育てて戦力にしていく「生え抜き至上主義」の時代は終わりました。
転職が当たり前になっている時代の中で、30代のイケてない部下を育てることにマネジメント工数を割くくらいであれば、見込みのある部下の指導に工数を割いたほうがはるかに効率的です。
ただ、メンタルの弱い部下を放置していると「いてもいなくても変わらない存在」になりますので、それはチームとして不公平感が生じてしまいます。
そのため、必要以上にメンタルの弱い部下を気にかける必要はないものの、本当に時折
ちょっとお願いしたい仕事があるんだけど業務量はどんな感じかな?
とお願いベースで相談してみると経験上良いです。
初めから「指示」のような命令口調ではなく、お願いベースにすることで「考慮されている」感を相手に伝えることができるかもしれませんよ。
おわりに。
ということで今回はメンタルが弱い人の特徴と対処法について書いてきました。
そして、何を隠そう私もメンタルが弱い部下(40代)を持って「めんどくせぇなぁ」と思っているうちの一人です。
こういう人ほど、できない理由を並べてくるし、性格が変わる可能性もないのでプロジェクトマネジメント(PM)ではなく「作業」しか任せられないのです。
本人は「作業」ばかりの仕事に不満を持っているようですが、仕事を任せる立場からすると、能力が足りないのでPMを任せたくとも任せられなれません。
いわゆる仕事ができる人は、往々にして前向きでメンタルが強いものです。
メンタルの強さはビジネスマンとしての能力を示す一要素と言えるでしょう。
今回は以上です。