今の会社は将来が不安なので、転職したいと思っている。
苦労して内定を獲得したけれど、転職先を親に連絡したところ反対された。親から祝福されていないことを考えると、転職しないほうが良いのか悩んでしまう。
こういったことでお悩みの方は多いです。
私自身、過去2回の転職を経験していますが、2回目の転職では在籍期間が短いこともあって親から静止はされなかったものの、明らかに反対の意向を感じた経験があります。
それだけでも相当なストレスだったので、親から「転職しないほうがいい!」とか「転職なんて許さないぞ!」と強く静止されている人はとても困っていることでしょう。
そして、結論から言うと転職して働くのはあなた自身なので、自分が納得しているのならば親がなんと言おうが転職すべきです。
今回は、転職を親に反対されて困っている人に向けて対処法などを実体験を踏まえて解説していきます。
本記事の内容
- 1.親を説得するのに大事なのは転職する覚悟
- 2.親から転職反対される理由5選
- 3.働くのは親でなく自分【自分の意思が大事】
- 4.転職を反対されるのは親が悪いわけでなく、価値観の相違に尽きる
1.親を説得するのに大事なのは転職する覚悟
親が転職を反対するのは子供の将来を心配しているから
転職に反対されると、
あー。本当に鬱陶しいな。せっかくやる気になってるんだから応援してくれよな・・・
と思ってしまいますよね。実際、私もそう思いました。
ただ、この心理を紐解いていくと、ほとんどの親は子供の将来を心配した結果反対してしまうんですよね。
普段親とどの程度コミュニケーションを取っているかで反応は変わりますが、50~60代のいわゆる昭和世代の親の価値観はだいたいこんな感じ。
<昭和の親世代の価値観>
- 最初に入社した会社で勤め上げて欲しい(私もそうしてきたから)
- 人間関係が良い職場なら、給料が悪くとも辞めないで欲しい
- 会社を辞めると辞め癖が付くのが心配なので続けて欲しい
- 転職しても転職先がいい職場だとは限らない。心配だ
- 隣の芝生は青く見えるように、転職に幻想を抱いているのではないか など
結論、親世代は終身雇用の時代を生きてきた人が多いです。
そのため、転職を「途中で投げ出す」「我慢が足りない」といったようにネガティブに捉えがちです。
確かに親の意見を聞くことは大事かもしれません。
ただ、今や転職が当たり前であり、むしろ転職によるキャリアが評価されるような時代です。
そんな今の時代を生きているあなたと転職をネガティブに考える親とは価値観が合うわけないのです。
そのため、基本的にはあなたが転職したいと思うならば、反対されようが転職を決断して押し切るべきだと思いますね。
なぜならば、転職して働くのは親ではなくてあなた自身だから。
親は良き相談相手かもしれませんが、自分の人生に責任を取ることまではできません。
転職に限らず、自分の人生に責任を持てるのは他でもない自分自身しかいないんです。
けれど、親によっては単に転職=ネガティブといった頭でっかちな人ではなくて、明確な理由があって反対しているのかもしれません。
この場合は、参考意見として親の考えていることを受け止めたうえで決断するのが良いと思います。
なお、親世代は職場の人間関係を重視する傾向にあります。
ただ、人間関係が良かったとしても辞めたほうが良い職場ももちろんありまして、その詳細を【いい人ばかり】人間関係はいい職場だけど辞めたい時は転職すべき3つの理由という記事で解説しております。興味があれば是非ともご覧ください。
本来、親に転職の相談は必要ない
そもそも、「親からの紹介で入社した」「親の会社で働いている」といった特別な事情があるならば別ですけど、本来転職することを親に相談する必要性なんて全くないです。
親も混同して考えがちですが、前提として就職と転職は別物です。
就職活動時に親に相談したことのある人は多いでしょうが、これは就活時は多くの人が社会で働くという経験そのものが0だからです。
社会経験が0であれば当然働く不安も多いでしょうし、業界の良し・悪しも情報がさほどないでしょう。
だからこそ、社会で長く経験を積んでいて、かつ身近な親の意見を参考にした人も多いわけです。
ただ、繰り返しですけど転職と就職を一緒にしてはいけません。
転職の場合、社会人経験を踏まえての活動になります。
働いた期間の違いはあれど、社会人として働いた経験を踏まえ、自分なりに気づいた「仕事の価値観」少なからずあるはずです。
・上流のIT企業に就職したけど、自分でソースコードも書いてみたい
・技術として入社したけど、営業に興味が出てきた
・営業をやっているけど、企画や管理のほうが向いている気がする
・今の業界じゃなくて、違う業界の仕事に興味が出てきた
などです。
誰もがこんな風に何かしら実体験から感じる思いがあって会社を辞めるワケなので、本来は親が口を挟む余地0なのです。
加えて、上述の通り親というのは転職にネガティブな気持ちで反応しがちです。
上述の通り、中には転職に理解のある親もいると思います。そうした親には相談するのもアリだとは思いますが、友人や転職エージェントと違って私情が入るので相談相手としてはベストではありません。
加えて、相談後に発生するかもしれない「説得」の手間を考えるくらいなら、はじめから相談なんてしないほうがお互い幸せです。
とはいえ、転職には様々な不安があって誰かに相談したい気持ちは当然あるはず。
そんな悩みを抱える方は【結論元同僚に相談せよ】転職の相談は誰にしたら良い?とお悩みの方へという記事で解決策を解説しておりますので、興味があれば是非ともご覧ください。
最終的には覚悟が大事
結論、親を説得するのに何よりも大切なのが子供であるあなた自身のやる気と覚悟です。
面接を思い出し、逃げの転職ではなくて前向きな思いを抱えていることを親にPRするつもりで転職を報告しましょう。
その際に大事なのは決定事項として伝えることです。
転職しようと思っているんだよね・・・
という悩みのニュアンスを挟まず、
私はやりたいことがあるので転職することにした!
と結論から伝えていき、そのあとに前向きな理由を添えると良いです。
自分の人生は自分で決めることです。そのうえで、親を安心させるために覚悟を伝えていきましょう。
繰り返しですけど親というのは、我が子がいつでも心配なものです。
そして、子供が充実した毎日を送ることが親にとって何よりの幸せですし、自分が幸せに生きることが結局のところ親孝行だと思います。
そんな中、仮に転職報告を行う際にネガティブな転職理由ばかりを聞かされてしまうと、
この子はこれから大丈夫なんだろうか・・・
と必要以上に心配をかけてしまい、結果反対意見が返ってくる可能性が高いです。
こうなると双方にとって精神衛生上良くないので、親を安心させるという意味でもポジティブな転職理由を添えて転職の報告をすると良いでしょう。
嘘の転職理由を伝えるのはNG
親から反対意見をゴチャゴチャ言われると面倒だという理由から、まったく嘘の転職理由を伝える人もいるでしょう。
ただ、これは辞めたほうがよいです。
結論、嘘はだいたいボロが出てバレてしまいます。そうなると、親を傷つけてしまうことにも繋がりますし、親からの信用も失ってしまうことになります。
何よりも、嘘を付く行為を自分の中で正当化してしまうことで、これからも嘘を付く癖がつきかねない点がリスクと言えます。
なお、そのリスクの詳細に関しては嘘を突き通すと罪悪感が半端じゃない。その理由を仕事で嘘を強要された私がシェアという記事で解説しておりますので、興味があれば是非ともご覧ください。
2.親から転職反対される理由5選
結論、親から転職を反対される際の具体的な理由を5つ挙げるとこんな感じ。
<転職を反対される具体例5選>
- すぐに辞める奴はどこに行っても通用しないぞ
- 楽な仕事はない。仕事があるだけでも感謝しなさい
- せっかくいい会社に入ったんだから、辞めるのは勿体ない
- 3年もたたずに辞めるなんて我慢が足りない
- 隣の芝生は青く見えるものだ
総じて、古い体質と価値観となります。
昔から「石の上にも3年」と言われてきたように、3年未満で会社を辞める人は社会人失格のような風潮がありますが、今はそんなことはありません。
むしろ、自分の適性と合わない仕事を続けることは自己肯定感も下がりますし、何よりも自己成長を鈍化させます。
「楽な仕事はない」はあらゆる仕事を知っている人だけが言える言葉であるので、根拠は乏しいです。
どんな仕事もそれなりに大変なのはその通りだと思いますが、例えば明らかにブラックな環境で3年働くことを強いるなんて、これほど辛いことはありません。
ブラックな環境で働く一番のリスクは、メンタルが壊れてしまってダウンしてしまうことです。
そうなると病院通いや働けない期間が出てくるなど、人生を壊しかねないことになります。
やはり、大事なのは自分の価値観に素直に従うことだと思います。
なお、古い体質の会社で働く親ほどこういった理由で転職を反対する傾向にあると思います。
そして、古い体質の会社で働くとどうなるのかについては【転職推奨】古い昭和な体質の会社に居続けると失うものを5つ紹介【時代遅れ】という記事で解説しております。是非ともご覧ください。
反対されて転職を辞めるか悩むなら、転職しないほうが良い
結論、絶対に転職するんだ!という固い決意がない状態で転職に反対されてしまうと、
やっぱり転職はしばらく様子見しておこうかな・・・
といった感じで決断を先延ばしにしてしまうことでしょう。
ただ、これは逆に言うと転職の覚悟が決まっていない証でもあります。
もしも、絶対に転職したいと思うのならば、親に反対されようが強い意志で反論するはずです。
けれど、それができずに悩むのならば、自分の中で転職に迷いがある証ですので、焦って転職しないほうが良いと言えるでしょう。
経験上、「なんとなく転職したい」という程度の覚悟が決まっていない状態ですと、企業研究もおろそかになりがちですし、内定を獲得するのに苦労します。
熱意は言葉の節々に現れますので、この状態では面接で熱意不足を見抜かれてしまう可能性が高いのです。
やっぱり、覚悟を決めている人って転職活動でもそうですし、普段の仕事でも高いパフォーマンスを発揮します。
なお、転職の覚悟が面接に及ぼす影響は【面接対策】転職活動がうまくいかない人は相手に覚悟や熱意が伝わっていない件という記事で解説しております。興味があればこちらも是非ご覧ください。
3.働くのは親でなく自分【自分の意思が大事】
仕事をするのは自分であり、親は守ってくれない
繰り返しですけど、親が反対しようが働くのは親ではなくてあなた自身です。
親は反対意見が合っていようがいまいが、責任を取ることができません。
転職を辞めた結果後悔したとしても、責任はすべてあなた自身に降りかかってきます。
という風に考えると、親に反対されたから転職を辞めてしまうことの最たるリスクって「自分事意識」が衰退してしまうことだと思うんですよね。
例えば、親に反対された結果今の会社に留まったとして、何か上手くいかなかったり壁にぶち当たってしまったときに、心のどこかで
親が反対したからこうなったんだよ・・だから転職したいって言ったのに・・・
という感情が芽生える可能性は高いでしょう。
もちろん、この感情はよくなくて他責思考なわけです。
転職するのは自分自身であり100%自分事で考えるべきなのに、それすら他人事で考えてしまうのであれば、今後ありとあらゆることが自分事で考えられなくなる可能性があります。
それに対して、仕事がデキたり尊敬できる人って、総じて言い訳がましいコメントや愚痴をこぼしたりしないものです。
愚痴を言わない人って人間として尊敬されますし、誰もがそうした人材になりたいはず。
けれど、親の言うことを守って転職を辞めることはそうした人材から離れてしまうリスクがあります。
なお、愚痴を言っている人が失うモノについては愚痴をこぼす人が失っているモノとは。愚痴が多い人の特徴3つとデメリットを解説という記事で解説しております。こちらも是非ご覧ください。
親の言うこともすべて間違いではないため客観的な視点を持つのが大事
結論、親の言うことは全て間違っているのかと言うと、そんなことはありません。
世代の違いはあれど、例えば報連相をはじめとしたコミュニケーションなど、時代を問わずして共通する大切なこともあるでしょう。
親世代は自分達よりも理不尽な環境で厳しく育ってきた傾向があります。
根性論ばかりを唱えるのは非効率極まりない一方で、理不尽かつストレスにまみれた社会経験から生まれる泥臭さを馬鹿にしてはいけません。
なぜならば、泥臭さというのは仕事の本質にも繋がっているからです。
ちなみに、大塚商会という会社の社訓はすさまじく体育会系な一方で、仕事の本質を捉えていると感じます。こちらも興味があれば是非。
転職先を決める前に会社の実態は可能な限り調べておこう
経験上、転職すると「入社前のイメージとなんか違うな・・・」と少なからず感じるものです。
こうしたミスマッチが大きいと転職失敗にも繋がりますし、後悔する可能性もあります。
そのため、ミスマッチは最小限に留めたいですよね。
そう思ったあなたにおススメなツールは転職口コミサイトの活用です。
転職口コミサイトは、実際に過去働いていた人や現職の社員が会社の実態を書き込みしており、情報にも一定の信頼性があります。
内定先の評価が低かったり、口コミ内容とあなたのイメージに乖離が大きいようであれば、転職を思い留まったほうが良いでしょう。
入社前に思っていた職場環境と全然違う・・・
このような悲劇を防ぐため、私が実際に使ってみて信頼できると思ったサイトを2つ紹介しますと転職会議とOpenWorkです。
これらのサービスは100万人単位で会員数も付いていますし、実際に勤めた企業の口コミを見ても、「そうだよね。」と思える内容が多かったですね。
両サイトともに無料で使えますので、情報量を倍にするためにも2つ登録して企業の実態をチェックしましょう。
そうした実態調査をしたうえで、転職するかを決断することをおススメします。
4.転職を反対されるのは親が悪いわけでなく、価値観の相違に尽きる
多くの親世代は圧倒的に我慢強い
結論、親世代は終身雇用の意識が根付いている場合が多いため、辛いことを耐え忍んで勤め抜くことを美徳と考えていることが多いです。
つまり、良い会社に就職し、長く働くことを「安定」と捉えているわけですね。
骨を埋めるつもりで死ぬ気で頑張れよ
なんてセリフを親から言われた人も多いのではないでしょうか。結論、こういったコメントも終身雇用こそが正義!という価値観から来ているのだと思いますね。
安定の定義は変わりつつある
従来は、良い会社で勤め上げることが「勝ち組」と呼ばれてきた時代でした。
年収も、年功序列で徐々に上がってく。古い体質の会社ほどこういった傾向が色濃く残っているでしょう。
ただ、近年では専門性の高い人へは報酬を高く払うなど、適正や能力に応じた人員配置を行う企業が増えてきています。例えば、大手Slerの富士通は、このようなジョブ型採用への意向を表明しています。
そう、もはや人気企業に就職することが「安定」という価値観は薄れつつあり、個人の能力を高めることこそが「安定」と定義される時代へとシフトしつつあります。
これからは、ますます人材の循環が活発になり、個人が働く場所を選べる時代がやってくるでしょう。
そう考えた時に、年功序列で生きてきた親世代と価値観なんて合うはずがありませんよね。結論、どっちが正しいという話でもなく、価値観がそもそも全然違うのであれば話合いの場すら持つ必要がないのです。
おわりに。
ということで、転職を親に相談するとだいたい反対される件に関してのまとめ記事でした。
きっと、親に転職の相談をする人は「心配をかけたくない」「親の期待に応えたい」といった優しくてマジメな人が多いのでしょう。
ただ、大事なのは親を安心させることです。転職観がフワッとしている中で相談するよりは、やはり覚悟が決まって迷いのない姿を見せることが安心に繋がりますよね。
そのため、「覚悟を持って前向きな転職する」だったり「明確な目的があって転職する」ということをしっかり伝えることが、結果的に親からの反対を防ぐ対処法とも言えるでしょう。
今回は以上です。