女性だけど建設業界に興味がある。建設業界って男社会なイメージがあるけど、実際どうなんだろうか。実態を知りたい。
本記事ではこんな悩みに答えます。
本記事を書いている私は、過去に建設業界で約10年間働き、その後30代で異業種に2回転職してきました。
その経験から言えるのは、建設業界自体はブラックな業界ですが、女性は比較的ワークライフバランスを保てる可能性があるということ。
本記事では、過去に施工管理として工事現場も経験してきた私が建設業界で働く女性が少ない理由や、建設業界に合っている女性の特徴などを解説していきます。
本記事の内容
- 1.建設業界における女性労働者の現状
- 2.施工管理は絶対に辞めておいたほうが良い6つの理由
- 3.女性が働きやすい建設業界の職種
- 4.建設業界に合っている女性の特徴3選
1.建設業界における女性労働者の現状
建設業界就業者における女性比率
少し古いデータにはなりますけど、日本建設連合会が2020年に発行した「2020建設業ハンドブック」によると、2019年時点で建設業界で働く女性は16.8%という数字となっています。
女性の就業率を全産業でみると2019年で44.5%になるので、他業界と比べると建設業界の女性就業率は相当低いです。
ただ、2017年では15.3%だったので、直近の2年間で1.5%も女性の労働者比率が上がっていることになります。
建設業界で女性労働者が少ない理由
結論、元業界人の私が思うにはこんな感じ。
<建設業界で女性労働者が少ない理由>
- 男性社会な印象があるので敬遠されがち
- 3K(きつい、汚い、危険)の印象が強い
- 力仕事な印象が強い
- 女性はお茶汲みをさせられるなど、古臭い文化がありそう
- リモートワークやフレックスなどの柔軟な働き方が難しそう
- セクハラやパワハラなどがありそう など
実際、工事現場では女性用のトイレなんてものが存在しない現場も現状では多いですし、セクハラやパワハラもまかり通っているのが現実です。
業界の体質そのものが古いので、休暇制度や産休育休などの制度も整っていない企業も多いでしょう。
やはり、根本的には男社会であることが敬遠されて柔軟な働き方ができそうなIT系の業界に女性は進んでいくのでしょうね。
ちなみに、建設業界って聞くと3Kだったりセクハラ・パワハラのイメージが強いですよね。
結論これはイメージ通りでして、この業界のヤバさが気になる方は建設業界はおかしい!業界で10年勤めた筆者が語る業界の闇【恫喝・説教】という記事で詳細を解説しておりますので是非ともご覧ください。
国も建設業界の女性定着化を望んでいる
国土交通省の建設産業における女性の定着促進に向けた取組についてというページでは、女性の定着化について以下のように書かれています。
■働きつづけられるための環境整備を進める
■女性に選ばれる建設産業を目指す
■建設産業で働く女性を応援する取組を全国に根付かせる
<建設産業における女性の定着促進に向けた取組について:国土交通省より引用>
これを見た率直な感想は「ホンマか?本当にこんなこと実現する気があるのか?」ということ。
確かに、ここに書いてあるような「適正な工期」が設定されれば圧倒的に業界の残業時間は減っていくでしょう。
ただ、私が2022年の8月にスーパーゼネコンに勤めている知人から状況を聞いた限りでは、そんな気配は微塵もありません。
第一、今の工期って各社の施工管理担当が残業を100時間も200時間もこなし、寿命を削る思いで働いて成り立っているものです。
それらの人たちを、2024年から始まる残業規制60時間に納めようとするならば、少なくとも工期を今の1.5倍にはしないといけないでしょう。
ただ、それは国の発展に反するとも言えるので、本当に国がそれを認めるのか正直疑問しかないですね。
それほどまでに、建設業界を適正な環境に変えるって難しいことだと思います。
2.施工管理は絶対に辞めておいたほうが良い6つの理由
最近になり、「工事現場で働く女性に密着!」みたいな広告をたまに目にするようになりました。
広告の女性モデルは楽しそうに現場監督をやっていますけど、実際はそんなに甘いものではありません。
そして、実際に施工管理の仕事ってどんな感じなの?避けたほうがよい理由は何?と言われると答えはこんな感じ。
<施工管理を避けるべき理由>
- 圧倒的に激務で休みが少ない
- 所長や職人から怒鳴られ、メンタルがボロボロになる
- 夏は暑く、冬は寒いなど作業環境が劣悪すぎる
- 担当を持つと、基本的に誰も助けてはくれない
- 現場と会社上司の板挟みにあう
- サービス残業が多い など
なお、これは会社や上司の性格によって変わると思いますが、施工管理として働く女性自体が非常に珍しいので、特に若手の女性は職人さんや所長からも大切にされる可能性はあります。
ですので、男性が受けるような恫喝めいた叱責は避けられるかもしれませんけど、残業が多いのは事実ですしどうにもならないと思います。
なお、施工管理という仕事のヤバさについては「施工管理はやめとけ」の理由6つ。建設業界で10年働いた私がヤバい実態を解説という記事で詳細を解説しております。興味があれば是非ともご覧ください。
3.女性が働きやすい建設業界の職種
結論、管理部門や設計など、お客様と直接やり取りするのが少ない部署が良いです。
建設業界の一般職はむしろホワイトの可能性あり
建設業界自体はドが付くほどのブラックですけど、それはいわゆる総合職に限った話。
事務系の一般職として配属された場合は、残業がほとんどないホワイト企業のような働き方も可能です。少なくとも私が新卒で入社した会社ではそうでした。
そして、その背景には建設業界自体が男社会に染まっている点が挙げられます。
社内の女性比率が低いがゆえに、女性を大事に大事にする風習がありますので女性への気遣いが高い業界と言えるでしょう。
ちなみに、私が新卒で入社したのは防災メーカーです。その詳細については【激務?評判は?】能美防災、ホーチキ、ニッタンの内情を元社員が徹底解説!という記事でまとめておりますので、興味があれば是非ともご覧ください。
設計は激務な一方で女性には合っている仕事と言える
実際、設計のCADオペレーターとして働く人たちはほとんどが女性です。
いざ自分でCAD図面を編集するとわかるんですけど、設計の仕事って本当に細かい細かい作業が多いんですよね。
こんな緻密で細かい仕事はウンザリ・・・
って思う大雑把な男性は多いでしょうけど、女性は比較的細かい作業が得意な方が多いですし、設計の意図などを汲み取る力が高いので設計に適した人材が多いと言えます。
なお、設計って実際どんな仕事なの?施工管理との違いは何?と疑問に思う方は施工管理と設計のどっちに転職すべき?求められる適性の違いを元業界人が解説!という記事で詳細を解説しております。こちらも是非ご覧ください。
4.建設業界に合っている女性の特徴3選
特徴その①.飲み会が好き
結論、建設業界は古い体質の業界です。
女性社員は自社の制服着用が義務付けられていたり、お客様来社時にはお茶出しが課されるケースも多いでしょう。
社内の懇親会では役員や部長の周りを女性社員で固めるのはよくある話ですし、それが当たり前に行われています。
ですので、実際私が働いている会社では「飲み会に出席すると偉い人のご機嫌取りでめんどくさい」って女性社員がほとんどだったんですけど、ごく稀に飲み会大好きな女性がいたものです。
そして、そんな飲み会大好き女性はオジサン受けが抜群ですのでどんどんお誘いが舞い降りるでしょう。
当然、誘われて参加した飲み会のお金は上司が立て替えたり領収書で支払ったりしますので、美味しいご飯が食べれて美味しいお酒にありつくことができます。
ですので、お酒が好きで飲み会続きが苦にならない女性は建設業界に向いていると思いますよ。
特徴その②.物怖じしない
これは建設業界に限った話でもないかもしれませんが、社内の女性社員が役員や部長並の権力を持っていることがしばしばあります。
そして、そういう女性社員は総じて物怖じせずに、偉いオジサン相手でもズバズバと踏み込んでいく傾向があります。
世の中、妻を相手に尻に敷かれる男性が多いですけど、それが職場で繰り広げられている構図ですね。
物怖じしない女性はオジサン受けも良い場合が多いので、最終的にはこういった物怖じしない女性が職場をコントロールすることも珍しくはありません。
ですので、物怖じしない女性は建設業界に向いていると言えると思いますね。
特徴その③.体育会系で明るい
結論、建設業界は体育会系の業界です。
基本的に上司やお客様の言うことは絶対!ですし、ガッツリ怒鳴られたりしてもへこたれず、グイグイと踏み込んでくるような人達が生き残っていきます。
ですので、多少怒られたりしても前向きに「すみませんでした!次は同じ失敗しないようにします!」って感じで振る舞える人は最終的に周囲から好かれて仕事もうまく回せるでしょうね。
ただ、これは男性でも同じではあるんですけど、上述の通りで女性そのものが少ない業界ですので、女性が同じことをやると効果絶大なんですよね。
おわりに
ということで、建設業界で働く女性が少ない理由のまとめ記事でした。
比較的、男性と比べると女性はホワイトに働ける可能性が高いとは思います。
ただ、そもそも論として建設業界が時代遅れでブラックな体質なのは事実です。
今建設業界ではない業界で働いている、もしくは今建設業界で働いていて、これから転職を考えているのであれば、わざわざ建設業界を転職先に決める必要はないと思います。
なお、私は建設業界から異業種に転職して本当に良かったと思っています。その詳細については30代で異業種転職を2回した私が転職して良かった9点を解説【行動が大事】という記事で解説しておりますので、是非ともご覧ください。
キャリアは男女問わず大事です。是非とも本記事を参考に、自分にとって最適なキャリアプランをお考えください。
では今回はこの辺で。
That is all