仕事でミスをしてしまい、お客様や社内の関係者に迷惑をかけてしまう事態になった。
そうなった際に「嘘を付いて自分のせいじゃないことにする?」という考えが頭をよぎる人も一定数いるのではないでしょうか。
もちろん、仕事で嘘をつくことが悪いことは誰もがわかっていること。
けれど、「上司が怖くてミスを報告するなんて極めて憂鬱」「同じようなミスを過去したのに繰り返してしまった」など、気持ちが追い込まれていると嘘をついてその場を乗り切ってしまうのです。
本記事を書いている私は、過去に会社からミスを隠蔽するために嘘をつくように強要されたことがあります。
その結果罪悪感に苛まれ、会社への失望感から転職を決意した経験から言えるのは、どんなに苦しい状況でも嘘をつくべきではないということです。
今回は、仕事で嘘をつくことのデメリットや、嘘をつかれた体験談などを解説していきます。
本記事の内容
- 1.仕事で嘘をついた際に感じる罪悪感の程度【体験談】
- 2.仕事の嘘がほとんどバレる3つの理由
- 3.仕事の嘘がバレた人の末路
- 4.嘘を突き通すデメリット3選
- 5.仕事で嘘をつかれた体験談
1.仕事で嘘をついた際に感じる罪悪感の程度【体験談】
結論、仕事で嘘をつくと罪悪感が半端じゃありません。
私の場合は会社のミスを隠蔽するために指示されたものでしたが、自分の意思で嘘をついたとしても罪悪感は大きいでしょう。
なぜならば、嘘をついたという行為は周囲に大きな声で言えないことであり、真実を墓場まで持っていくからです。
事実、私が指示された会社の隠蔽について、真実を知っているのはごく少数でした。
また、嘘をつくと100%嘘に嘘を重ねることになります。
そして、嘘に嘘を重ねるとよほど用意周到に準備しない限り矛盾点が生じてくるので、周囲から怪しい目で見られることになります。
この時間が長ければ長いほど罪悪感が増してくるのです。
その結果、嘘をついた本人がどう感じるかというとこんな感じ。
<嘘をついた人の心理>
- こんな苦しい思いをするのなら、嘘をつかなければよかった
- 嘘をつく自分は最低の人間
- 私はこの会社で仕事をする資格はない
- 真実を話して楽になりたい。けれど、今更それはできない など
結論、後悔と自己否定をすることになります。
だからこそ、「嘘をついてその場をごまかす」ことはすべきでないですし、嘘をつくよう上司や会社から指示されるような会社は辞めたほうが良いです。
なお、私が会社から嘘をついて不正を指示された体験談は会社から不正を強いられて辞めたいあなたは転職すべき【そう思うのは当然】という記事で詳しく触れていますので是非ともご覧ください。
2.仕事の嘘がほとんどバレる3つの理由
理由その①.精神的に不安定になるから
上述の通り、嘘を付くと圧倒的な罪悪感に苛まれます。
同時に、「嘘がばれたらどうしよう」という恐怖感と常に付き合っていくことになるので、仕事が手につかなくなる人も多いでしょう。
特に、マジメな性格で仕事に打ち込んでいた人ほど、嘘をつくことで精神的に不安定になる傾向があります。
何事も積み上げるのは苦労しますけど、崩すのは簡単です。
自業自得とも言えますが、今まで積み上げた「信頼」が一瞬で吹き飛んでしまうのは、とんでもなく苦しいことでしょう。
結果、疑心暗鬼になって周囲のことを信用できなくなったり、孤立しがちになるでしょう。
そうなると、仕事の基本とも言える報連相も不十分となり、仕事がうまく回らずに周囲から評価されることもなくなります。
やはり、仕事で嘘をつくことはリスクが高すぎると言えます。
なお、仕事で報連相ができないことによるデメリットは【仕事遅い】仕事で上司や同僚に相談しない人が損する3つの理由【残業多い】という記事で解説しておりますので、こちらも是非ご覧ください。
理由その②.掘り下げられて質問されるとボロが出るから
仕事で嘘をつくと、上述の通り嘘に嘘を重ねることになります。
ですが、嘘は実際に自分が体験したものではないので、掘り下げて質問をされると言葉の歯切れが悪くて「違和感」を感じることも少なくありません。
私は過去に会社から嘘をつくように強要された経験がありますが、お客様へ上司と共にその旨を説明する際、同じような質問を言い方を変えて何度もされました。
こうされる時点でほとんど嘘はバレていたのだと思いますけど、同じような質問をしているのに回答が違ったりと、回答していた上司の言葉もボロが出ていたんですよね。
その経験から言えるのは、用意周到に準備していたとしても、いずれは嘘はバレてしまう可能性が高いということです。
理由その③.行動が変わるから
仕事で嘘をつくと、精神的に不安定になったり周囲のことを信用できなくなったりします。
その結果、どうなるかと言うと「急に一人で行動するようになった」「あまり雑談をしなくなった」「コソコソと上司と話をすることが増えた」などの普段と違った行動が増えてきます。
結論、職場の同僚って周囲の変化にすごく敏感です。
そういった行動の変化から周囲に怪しまれたりして、嘘がバレてしまう可能性は大いにあるでしょう。
3.仕事の嘘がバレた人の末路
結論、嘘をつく人の末路はこんな感じ。
<嘘をついた人の末路>
- 周囲を信用できなくなるので結果が出ず、評価されなくなる
- 精神的に不安定になり、病んでしまう
- よそよそしさから、同僚に嫌われてしまう
- 上司から評価されず、厳しく接される
- 最悪の場合、会社をクビになる
最悪の場合は、長年秘密にしていた嘘が時間をかけて明るみになった場合です。
例えば、トラック大手の日野自動車では2022年にエンジンの不正問題が明るみに出ました。
本件では、少なくとも2003年から不正が行われていることが後からわかり、株価は急落して業績も急悪化したのは記憶に新しいでしょう。
実際、日野自動車ではこの不正で取締役などが4名辞任し、社長は6ヶ月間50%減給となりました。
このように、嘘が引き金で問題が大きくなった場合は会社が責任を問われる形となり、嘘をついた本人は当然タダで済むワケはありません。
嘘をつくメリットなんてどこにもありません。こういった末路を避ける手段は嘘をつかないこと一択なのです。
4.嘘を突き通すデメリット3選
デメリットその①.反省する機会を失う
結論、人は成功体験よりも失敗体験により成長するものです。
なぜならば、成功した体験よりも失敗した体験のほうが記憶に色濃く残るものだから。
例えば、転職面接でよく失敗談を聞かれるのも、過去失敗した経験から何を学んだのかを知りたいからです。
一流と呼ばれる人達は失敗を経験し、その原因を分析して再発防止に努めるもの。
そうした心構えと行動によって今の地位を確立しているものです。
確かに、ミスを上司に報告して怒られるのは嫌でしょう。プライドの高い人は、ミスをすること自体が何か恥ずかしいことのように思えて「ミスをした自分」を認めたくない心理もあるかもしれません。
しかし、ミスを隠してそのままにするということを繰り返しているうちは自分が成長することはないのです。
ミスした自分を受け入れなければ、真剣に再発を防ぐための対策ができません。
そうなると、後に同じ失敗をすることは目に見えており、上司からも評価されないでしょう。
デメリットその②.他責思考になる
ミスを嘘でごまかす癖がついてしまうと、「このミスは自分のせいではない」「ミスが起こったのは●●のせいだ」と考えてしまうようになります。
結果、「自分が悪くても周囲が悪いと主張する」「自分には責任がないかのように立ち振る舞う」など自己の保身のために言い訳ばかりする面倒な人材になりかねないでしょう。
言い訳するだけならまだしも、自分の嘘を正当化して周囲を攻める人間にすらなり得ます。
こうなってしまうと、成長しないどころか周囲に悪影響を及ぼすモンスター社員なってしまいます。
嘘をつくという行為は、人の人格すら変えてしまいかねない危うい行動だと認識しましょう。
なお、私は過去に無断欠勤や逆ギレなどの信じられない行動をするモンスター新人と同期だったことがあります。
その詳細は【体験談】同期にモンスター新人を抱えた私が思う7つの特徴と4つの対処法とはという記事で解説しておりますので、興味があれば是非ともご覧ください。
デメリットその③.周囲に嫌われる
仕事で嘘を付く人は、遅かれ早かれ自分の行為を正当化してしまう傾向にあるので、周囲からウザいと思われてしまいます。
でも。だって。どうせ。だから。
こういった4D言葉を多様するようなネガティブで言い訳がましい人よりも、「すみませんでした。反省して次に繋げます!」と言われたほうが気持ちいいですよね。
これが出来ずに言い訳から入ってしまうと、当然ながら職場の同僚や上司から嫌われてしまいます。
職場で嫌われてしまうと重要な仕事も任されにくくなり成長スピードが鈍化するなどのデメリットに繋がっていくでしょう。
なお、上司に嫌われてしまうデメリットについては【転職 or 改善】上司に嫌われたら終わり?原因5選と対処法をまとめましたという記事で解説しております。興味があれば是非ともご覧ください。
5.仕事で嘘をつかれた体験談
嘘をつかれた相手は信用できなくなる
私が過去に担当したプロジェクト途中で、メンバーの一人が会社を辞める出来事がありました。
別にそれ自体は珍しいことでもなんでもないのですが、この人は普通に転職しただけにも関わらず、「体調不良の叔父さんが経営していた会社を手伝う」という嘘の退職理由を付いていました。
私も
そうなら仕方ないですね。叔父さんの会社、なんとか支えてやってください!
ってコメントをしたのはすごく覚えています。
後から「辞めるのが気まずい、後ろめたい」という自己保身だけで嘘を並べたと知ったときはショックでしたし、この人とはもう二度と会うことがないだろうと思ったものです。
また、会社から止められるのがわかっているため、地方にいる親が危篤状態だと嘘をついて会社を辞めた同僚もいましたが、「前の会社の人と街中で合ったらごまかしがきかない」と言っていました。
それを聞いたときも、この人は自己保身で嘘をつく人なんだな。残念だな。と思いましたね。
そう。嘘をつく結果、仕事で最も大切な信頼関係の構築と維持ができなくなるのです。
私が思うに、「信頼」って単純に仕事がデキるかどうかだけじゃなくて、人柄や誠実さが大きく影響するものです。
どんな優秀なビジネスマンもミスはしてしまいます。その際に「申し訳ありません。私のミスでした」と素直に謝れるかどうかも相手から信頼される一つの要因だと思いますね。
「バレなければ問題ない」は大きな間違い
結論、上述の通りで嘘はだいたいの場合いずれはバレます。
そして、仮に嘘がバレなかったとしても、何かしら周囲は違和感を感じるのは間違いないでしょう。
違和感=あの人嘘を付いているのでは?という疑いになりますので、「信用」という観点では疑われた時点で半ばゲームオーバーなのです。
疑われてしまうと、少なからず評価を下げてしまうことになりますし、その評判は自分の知らないところで周囲に伝わっていきます。
逆に、自分のミスを認めて迅速に上司に事実を報告し、叱責を受け入れて再発防止に向けて反省する姿勢の人は、周囲から誠実な人間と思われるでしょう。
繰り返しになりますけど嘘は百害あって一利なしなのです。
嘘を上司や会社から強要されたなら転職しよう
結論、嘘をつくと自分が苦しむことになるわけですけど、そんな負担を会社から強いられる場合は転職したほうが良いです。
私自身、こうして偉そうに記事を書いてますけど、今でも後悔の気持ちはありますし、それは一生消えない傷です。
お客様から何度も「本当は嘘なんでしょ?」と言われて叱られたことに自分の自尊心がもの凄く傷ついたのを今でも鮮明に覚えています。
そんな傷を会社の指示で作られてしまうような環境はロクなものではありません。今すぐ会社を見切って転職したほうが良いでしょう。
なお、このように、見切りをつけたほうが良い会社の特徴については見切りをつけた方がいい会社の特徴11選と在籍リスク【抜け出すための行動も】という記事で解説しております。
嘘を強要されるような会社に嫌気が指している方は是非ともチェックください。
おわりに。
ということで、嘘をつく行為のデメリットやリスクについて解説してきました。
なお、たまに混同している方がいるのですが、嘘をつくことと本当のことを言わないことは全く別物です。
本当のことを言わないという手法は主に交渉事などでよく使われるテクニックですので、嘘をつくこととは区別して解釈いただければ幸いです。
ミスをした時に、目の前のピンチだけに目が行く気持ちは理解できます。
ただ、そこで嘘をついてしまうとこれからのビジネスライフを長い目で考えた時にデメリットが大きすぎるんです。
自分が嘘をついてしまうことでどれだけの人に影響を与えてしまうのか。
そういった相手目線の気持ちを忘れずに仕事に取り組んでいただければ幸いです。
今回は以上です。