今の会社から転職したいと思っているけど、過去に辞めた同僚は会社から裏切り者扱いされてすごく大変そうだったな。
あんな扱いを自分もされるかと思うと、転職活動も面倒になってしまう・・・
こんな思いを抱き、転職活動するのに悩む人は多いのではないでしょうか。
会社を辞めるには、人それぞれ理由があるでしょう。ただ、最後の最後でお世話になった会社から裏切り者扱いされてしまうと、後味が悪いですよね。
結論から言いますと、世の中には転職を裏切りと考える会社は一定数存在します。
なぜならば、本記事を書いている私自身が新卒で入社した会社を辞める際に人事部長から「裏切り者!」と言われたからです。
けれど、もしあなたが転職を真剣に考えているのならば、会社が退職者を裏切りと考えていようが完全に無視でOKです。
ということで今回は、転職したいけど会社や上司から裏切り者扱いされるのが怖い人に向けて退職者を裏切り者扱いしてしまう心理と対処法を解説していきます。
本記事の内容
- 1.転職を裏切り者扱いする会社の心理3つ
- 2.転職で会社から裏切り者扱いされた際の対処法4つ
- 3.退職者を裏切り者とする会社が失っているモノ
1.転職を裏切り者扱いする会社の心理3つ
心理①.会社に勤め上げることが正義だと思っている
結論、退職者を裏切り者扱いする人は、会社にしがみつくしかない自分を正当化したい心理が強いです。
本当は、転職する勇気もなければ転職して他社で働く能力がないだけなのに、自分はあたかも能力のある人間であるかのように、このように考えて正当化しまうのです。
・転職できる能力があるにも関わらず会社に尽くしている自分は素晴らしい
・採用してくれた会社に忠誠を尽くしている自分は素晴らしい
その結果、「採用してくれた会社を辞めるなんてなんてクレイジーな人間なのだ!」と攻撃的な思考に陥ってしまうわけです。
そして、退職者の能力が高ければ高いほど「期待していたのにあいつに裏切られた!!」という気持ちになってしまうのでしょう。
確かに、一昔前までは就職した会社に尽くすのが当たり前だったのかもしれません。
ただ、それは会社が社員をリストラせずに一生涯抱えてくれる終身雇用の前提があったからであって、今の終身雇用が崩壊した現在においては時代遅れの考え方となります。
プロスポーツ選手が多額のオファーをしてくれたチームに移籍するのと同じで、余のビジネスマンも働く場所を選択する自由があるワケです。
その前提があるにも関わらず、会社を辞める人を裏切り者と強い口調で批判する姿勢はどうかと思ってしまいますね。
それに、転職が当たり前になったからこそ優秀な人ほど他社からより良いオファーをされた結果転職していく傾向にあります。
そう考えますと、優秀な人は数年働いて貢献してくれれば御の字といった形で、会社側も考え方を変える必要があると思いますね。
なお、優秀な人から会社を辞めていく現象についてはなぜ優秀な人ほど見切りが早く突然会社を辞めるのか。連鎖退職経験者が理由を解説という記事で解説しております。興味があれば是非ともご覧ください。
心理②.嫉妬している
結論、転職を裏切り者扱いする人は会社にしがみつくしかない人達なので、無意識に転職者に対して嫉妬しています。
だいたいの場合、辞める人を裏切り者扱いする気持ちの根源は羨ましいという感情です。
「残念だけど次の職場で活躍しろよ!」と背中を押してあげれば退職者も気持ちが良いのですが、嫉妬の感情が邪魔をするワケです。
私自身、会社を辞める時には複数人の上司から
お前なんかドコに行っても通用しないぞ。隣の芝生は青く見えるものだ
と言われましたが、「いやいや。あなた転職したことないじゃないですか」と思っていたものです。
そして、私は転職して社員のレベルの高い会社で働くことができたワケなのですが、会社のレベルが高くなるほど従業員の能力や人間性も比例して上がっていくことを実感しています。
そして、人間性に優れた人は部下を理不尽に詰めたりしませんし、注意や指導する時もロジカルです。
何より、退職者が発生したとしても頭ごなしに「裏切り者!」と罵ることなく冷静に理由を聞く姿勢があります。
こうした経験から、退職者を裏切り者扱いする会社は自分に相手を快く送り出す余裕がない結果、相手を批判しているんだと思います。
もちろん、こうした姿勢の会社はあまり良い環境とは言えないので、レベルの低い会社からは早めに転職してしまったほうが自分のキャリアにとってプラスになると思っています。
なお、レベルの低い職場の特徴についてはレベルの低い職場や会社の特徴7選と働き続けるリスク【辞めたい気持ちは当然】という記事で解説しております。こちらも興味があれば是非ともご覧ください。
心理③.過剰な仲間意識を持っている
結論、転職を裏切り者扱いする会社はブラック企業が多いです。
ブラック企業は一般的に「残業は多いが給料が安い」「パワハラ・セクハラは当たり前」「サービス残業も日常茶飯事」など働くメリットがない環境です。
けれど、ブラック企業で働く人は世の中沢山存在します。
「転職したいけど時間がない」「ブラックだと思っているが、会社が変わるのを期待している」など理由は人それぞれでしょうが、ブラック企業に定着させるための代表的な手法として、「過剰な仲間意識を醸成する」というものがあります。
例えば、朝礼での社訓の訓話を読み上げること。元気一杯に全員で社訓を読み上げると、一体感が生まれて気持ちいいですよね。
また、社員旅行やゴルフコンペ、フットサルなどの社内イベントも同様です。
仕事以外にプライベートで汗を流したり、お酒を飲んで交流を深めていくことで「ブラックな環境だが仕事以外で居心地が良い」環境を作っていくのです。
これはある種ブラック企業が社員を定着化させるための戦略なのですが、こうして生まれた仲間意識が裏切り者という時代遅れな感情を産んでしまうのでしょう。
ただ、過去の私もそうでしたがブラック企業の中でもプライベートで会社の人と合うなんで絶対に嫌だと感じる人はそれなりに多いはずです。
そうした人にとっては、ブラック企業にありがちな社員旅行なんて論外だと感じることでしょう。
なお、社員旅行が時代遅れな理由については社員旅行が心底嫌だった筆者が時代遅れな理由と行きたくない時の対処法3つを紹介という記事で解説しております。こちらも興味があれば是非ともご覧ください。
2.転職で会社から裏切り者扱いされた際の対処法4つ
結論、会社を辞める人を裏切り者扱いしてくる人は価値観が古いので、裏切り者と言われても気にする必要ありません。
とはいえ、上司や偉い人から強い口調で罵られると、「悪いことしてしまったのかな・・・」と気にしてしまう人も多いでしょう。
ここからは、裏切り者扱いされたとしても気にしないマインドセットについて解説していきます。
対処法①.終身雇用は崩壊したことを理解する
前提として、会社に定着して会社の成長に貢献したい気持ち自体はとても大事です。
この気持ちが0だと会社の利益を第一に考えた行動が取れませんし、適切な意思決定も難しいからです。
ただ、繰り返しですけど終身雇用の時代はもはや終わったと言っても過言ではありません。
あのトヨタ自動車ですら、2019年に豊田章男社長自らがこのように語っています。
「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」
もはや、入社した会社に人生を捧げる思考は時代遅れであり過去のものです。
上述の通り、今は個人が働く環境を自ら選択していく時代になるので、裏切り者という言葉自体がナンセンスであることを理解しましょう。
対処法②.期待されていたとポジティブに考える
結論、裏切り者!と言いたくなる相手の感情は期待していた裏返しとも言えます。
そのため、実力を評価されていたこと自体はポジティブに考えると良いでしょう。
たまに、「会社はお前に期待して評価していたのに勿体ない・・・」と言ってくる上司がいますが、それは上司の価値観でしかありません。
大前提として会社があなたを評価していたからと言って転職するかしないかは個人の自由なのです。
仮に、入社時に10年働くという契約をしていたのならば裏切り者ってフレーズも理解できますけど、そんな契約はしていないはずです。
これらの理由により、転職する人を裏切り者扱いすること自体がやっぱりナンセンスだと言えます。
対処法③.転職を裏切り者扱いする人は少数なことを理解する
私の実体験で言いますと、新卒入社した会社の人事部長からは転職時に裏切り者!と罵られました。
ただ、上層部ではなくて同僚レベルの多くの人は「転職したいけど自信がない」「転職する時間がない」など、私が会社を辞める時に悩んでいたことと同じ思いを抱えていたりします。
そう。よほど後味の悪い辞め方をしない限り、最終的には気持ちよく送り出してくれる人が多数であり、退職者を裏切り者扱いしてくる人なんて少数なんです。
裏切り者!と罵られると内容的にグサっとくるので必要以上に気にしてしまう気持ちはわかります。
ただ、冷静に考えるとそんな少数のアンチの声を気にするよりも、応援してくれる人の声に傾けたほうが精神衛生上良いですよね。
むしろ「会社辞めるときに裏切り者扱いされた!」といった感じでネタにできる!くらいのポジティブな気持ちがあると良いと思いますよ。
対処法④.転職を裏切り者扱いする人は人格破綻者だと認識する
結論、上述の通りで転職を裏切り者扱いする人は客観的に物事を考えることができない人です。
転職が裏切り行為ならば、今の会社で働いている中途入社社員は過去に裏切り行為を働いてきた人物という理屈になります。
それを許しているのに、自分の会社を辞めることのみNGというのは理屈が通っていないですよね。
このように理屈を自分の都合の良い方向に捻じ曲げてしまうのは人格破綻者だと思いますし、きっとあなたの将来なんてこれっぽっちも思っていない人です。
例えば、ある日いきなり退職代行を使われて、
昨日の出社を最後にもう出社しません。残り1か月有休消化します。引継ぎもしません。
みたいな対応をされれば、「裏切り者!」と言いたくなる気持ちもわからなくもないですが、そうさせたのは会社だと考えることもできます。
そういった人にいくら自分の考えを一生懸命説明したとしても確実に理解が得られません。
むしろ、話せば話すほど「お前は全然わかっていない」といった感じで取り込まれてしまうリスクのほうが高いです。
そのため、こういった人の発言に振り回されることはせず、右から左へ受け流すくらいの気持ちを持っておくのが良いと思いますね。
3.退職者を裏切り者とする会社が失っているモノ
結論、退職者を裏切り者扱いする会社は将来の出戻り採用の可能性を狭めています。
近年では、少しずつではありますがPanasonicやNTTドコモなど、元社員が他社で働くノウハウをもとに再度迎え入れる「カムバック採用」が広がっています。
大前提、退職者を裏切り者扱いするような会社は辞めた人が出戻りしたいと思うような魅力ある環境ではない場合がほとんどですけど、この点に一切着目できていないのは事実でしょう。
・辞めた社員が顧客になること
・辞めた社員をカムバック採用で迎え入れること
最近はSNS隆盛期ですので、退職を後押ししてもらった人ほど「元株式会社〇〇」という形でSNSでPRしてもらえる可能性もある一方で、ネガティブな情報も広がりやすいのが現状です。
こうした未来への配慮が全くないと共に、何よりも辞めた社員を裏切り者扱いする懐の狭さが口コミとして広がってしまうリスク回避ができていないと言えます。
ですので、退職を裏切り者扱いするような会社はレベルが低い会社ということでスパッと見切ってしまうのが良いでしょう。
なお、見切りをつけたほうが良い会社の特徴については見切りをつけた方がいい会社の特徴12選と在籍リスク【抜け出すための行動も】という記事で詳しく触れております。こちらも是非ご覧ください。
おわりに。
ということで、会社を辞めるときに裏切り者扱いする人の心理と対処法のまとめ記事でした。
「裏切り者」と他人を非難しても何も事態は解決しません。
去りゆく人を傷つけようとするよりも、今の会社の課題を解決することに力を注ぐほうが100万倍重要ですよね。
そう考えると、こういった自分勝手な人の「裏切り者!」という声に傷つくこと自体が勿体ないと言えます。
繰り返しになりますが、転職は職業選択の自由ですし、昨今は転職が当たり前の世の中なのでそんな声は結論気にする必要なしです。
皆様の退職交渉が無事に終わることを願っています。
今回は以上です。