仕事をするうえで、切っても切り離せないのがお金に関する話ですよね。
30歳では○○万円、40歳では○○万円稼ぎたいと具体的な目標を持っている人もいれば、お金にはこだわらないというスタンスの人もいるでしょう。当然、価値観は様々なので正解なんてものはありません。
とはいえ、そうは言っても年収が多いに越したことはないですよね。そう考えたときに、自分の年収は世間一般から見て高いのか低いのかが重要となります。
結論、他の人と比べて喜んだり落ち込んだりする必要はないのですが、自分の年収度合いを客観的に把握することで、ライフプランが立てやすくなるという側面はあるでしょう。
ということで今回は、国税庁が発行している「令和元年分民間給与実態統計調査」をもとに、世の中の年収に関する様々なデータをまとめましたのでご紹介していきます。
本記事の内容
- 1.令和元年民間給与実態統計調査のサマリー
- 2.年収レンジ別の構成比
- 3.業種別の平均年収
- 4.事業所規模別の平均年収
- 5.年齢別の平均年収
- 6.地域別の平均年収
1.令和元年民間給与実態統計調査のサマリー
サマリーは下記の通りです。
<サマリー>
- 対象は、令和元年 12 月 31 日現在の源泉徴収義務者(民間の事業所に限る。)
- 給与所得者数は、5,255 万人(対前年比 4.6%増、229 万人の増加)
- 全体の平均年収は 436 万円(同 1.0%減、43 千円の減少)
- 全体の正規平均年収は503 万円(同 0.0%減)
- 全体の非正規平均年収は175 万円(同 2.5%減)
- 男性の平均年収は 540 万円(同 1.0% 減、53 千円の減少)
- 女性の平均年収は296 万円(同 0.8%増、24 千円の増加)
- 正規だけの平均年収は、男性 561 万円(同 0.3%増)、女性 389 万円(同 0.8%増)
日本の平均年収は436万円となりますので、自分の年収がこれよりも多いのか少ないのかが、給料の良し悪しの一基準となるでしょう。
また、男女間の給与差は前年比で縮まっていますが、まだまだ収入格差が大きいのが実態のようです。
2.年収レンジ別の構成比
令和元年の年収構成比は下記の通りです。
<年収構成比>
- 300万円以下:37.8%
- 300万円〜500万円以下:31.6%
- 500万円〜700万円以下:16.6%
- 700万円〜900万円以下:7.3%
- 900万円〜1,000万円以下:1.9%
- 1,000万円〜1,500万円以下:3.5%
- 1,500万円〜2,000万円以下:0.8%
- 2,000万円〜2,500万円以下:0.2%
- 2,500万円超:0.3%
この結果から、年収300 万円以下の層と、300万円から500万円の層が多く、この2つで全体の69.4%と実に7割を占めていることになります。
高収入の目安とされる年収1,000万円以上の層は全体の4.8%と、やはり年収1,000万円を超えるのは狭き門であることが伺えますね。
3.業種別の平均年収
次は、気になる業種別の平均年収をまとめてみました。
<業種別平均年収>
- 建設業:491万円
- 製造業:513万円
- 卸売業、小売業:376万円
- 宿泊業、飲食サービス業:260万円
- 金融業、保険業:627万円
- 不動産業、物品賃貸業:424万円
- 運輸業、郵便業:436万円
- 電気・ガス・熱供給・水道業:824万円
- 情報通信業:599万円
- 学術研究,専門・技術サービス業、 教育,学習支援業:518万円
- 医療、福祉:401万円
- 複合サービス事業:411万円
- サービス業:359万円
- 農林水産・鉱業:297万円
業種別では、電気/ガスなどのインフラ系が平均年収824万円と突出していますね。また、次いで金融業の627万円や情報通信業の599万円という数字が給与水準の高い業界と言えます。
それに対して、サービス業は全体的に給与水準が低いようです。
もちろん、年収が全てではありませんが、「どの業界に入るかで給与水準が大きく左右される」ことは事実として知っておいたほうが良いでしょう。そして、もし年収の低い業界から転職するのであれば、業界ごと変えてしまうというのも一つの選択肢です。
私自身建設業界出身なのですが、建設業界からの異業種転職はむしろチャンスです。その理由も別記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
-
建設業界で悩み苦しむあなたへ。10年間業界で働いた私が伝えたい3つのこと
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4.事業所規模別の平均年収
結論、事業所規模が大きくなるほど年収水準は上がるという結果のようです。
<事業所規模別の平均年収>
- 従業員10人未満:340万円
- 従業員10〜29人:404万円
- 従業員30〜99人:412万円
- 従業員100〜499人:437万円
- 従業員500〜999人:478万円
- 従業員1,000〜4,999人:508万円
- 従業員5,000人以上:516万円
あくまで平均値ですが、従業員500人くらいの規模と10〜29人くらいの規模ではさほど給与水準に差はないようですね。
ただ、従業員1,000人以上の大企業になりますと平均年収が500万円を超えていきますので、大企業=年収が高いというイメージはどうやら合っているようですね。
5.年齢別の平均年収
平均年収が436万円であったとしても、年齢が40代〜50代なのか20〜30代なのかで今後の伸びしろが変わってくるため、年収に関する捉え方も変わってきますよね。
ということで、ここでは年齢別の平均年収を調べてみました。
<年齢別の平均年収>
- 19歳以下:135万円
- 20〜24歳:264万円
- 25〜29歳:369万円
- 30〜34歳:410万円
- 35〜39歳:445万円
- 40〜44歳:476万円
- 45〜49歳:499万円
- 50〜54歳:525万円
- 55〜59歳:518万円
結論、まだまだ日本は年功序列ですね。54歳あたりをピークに、それ以降はゆるやかに年収が落ちていく傾向のようです。
6.地域別の平均年収
年齢も重要な要素ですが、同じくらい重要な要素が住環境ですよね。都会に住んでいれば何かとお金がかかりますし、田舎であれば生活費は割と抑えられるのが一般的です。
ということで、最後は地域別の平均年収です。このデータは、国税局別のデータを引用しております。
<地域別(国税局別)の平均年収>
- 札幌:383万円
- 仙台:357万円
- 関東信越:393万円
- 東京:501万円
- 金沢:386万円
- 名古屋:439万円
- 大阪:438万円
- 広島:387万円
- 高松:366万円
- 福岡:384万円
- 熊本:365万円
- 沖縄:348万円
予想通り、東京、名古屋、大阪の順で平均年収が高いという結果になりました。これらの地域は人口も多いので、全体の平均年収を押し上げている形ですね。
おわりに。
ということで、国税庁発行データから様々な視点で年収水準を調査してみました。
もちろん、年収というのは働く目的の一要素でしかありません。ただ、収入が高いと生活にあらゆる選択肢が生まれることも事実です。
繰り返しになりますが、「そういえば、私の年収って多いの?低いの?」と疑問に思った際には、本記事を参考にしていただければと思います。
それでは今回はこの辺で。
That is all