いつも説明がうまくいかなくて、相手から「話がわかりづらい、何を言っているのかわからない」と言われることがある。
自分なりに気をつけているけど、なぜか相手に伝わらなくて悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
結論、話がわかりづらいと言われる人は無意識に「えー」「えーっと」「あのー」「そのー」といった意味のない言葉である「フィラーワード」を多用する傾向にあります。
本記事を書いている私自身、過去に上司から「何を言っているのかわからない」とまで言われ、自分の説明能力に悩んだ経験があります。
今回は、そういった経験を踏まえてフィラーワードを使ってしまう原因や対処法などについて解説していきます。
本記事の内容
- 1.「えー」「あー」「あのー」などのフィラーワードを使ってしまう原因5選
- 2.フィラーワードを使わないための対処法
1.「えー」「あー」「あのー」などのフィラーワードを使ってしまう原因5選
原因①.頭の中で喋る言葉が整理されていないから
結論、「えー」「あー」といったフィラーワードを使ってしまうのは、間をつなぐためなんですよね。
例えば自己紹介。私であればこんな感じの自己紹介をすると思います。
<例:自己紹介>
はじめまして。ゆうざんと申します。私は大学卒業後に建設業界のブラック企業に入社して約10年勤めました。その後、異業種の自動車業界に転職して2年勤務した後、再び異業種に転職し、通信業界で約3年が過ぎようとしております。よろしくお願いいたします。
仮にこの文字を見ながらプレゼンをする場合、ほぼ100%「えー」「あー」という言葉は混じってこないはずです。
なぜならば、読むべき文章が手元にあり、明確だからです。
ただ、こういったカンペがなくて自己紹介をするとします。そうなると、頭で用意していた文章が緊張などで飛んでしまい、話の途中で
マズい。次ってどんな文章を言うんだっけ・・・
と迷いが生じる経験をした人は多いはずです。
そして、この迷いが「間」を生み出し、その間を埋めるために「えー」「あー」と言ってしまうことになります。
もっとわかりやすい例を挙げますと、自己紹介を英語で喋ることを想像してみてください。
ネイティブ並の英語力がある方は別ですが、私のように日常会話もままならない英語力の人は頻繁に「えー」「あー」と言ってしまうはずです。
私自身、過去に会社で英語研修をしたことがあるのですが、言いたいことはあるものの、英語での語彙力がないから「Ah・・・Let me see」というワードばかりを使ってしまった苦い経験があります。
このように、喋る言葉が整理されていないことがフィラーの最たる要因となります。
原因②.一文が長いから
結論、一文が長いとフィラーワードを使う要因となります。
・私はゆうざんと申します。よろしくお願い致します。
・私はゆうざんと申しまして、営業技術や企画の仕事をこなしつつ、建設業界や自動車業界、更には通信業界を渡り歩いてきたキャリアを持っている30代の男性です。よろしくお願い致します。
例えば、こんな2つの文章があったとして、これを音読する場合にどっちがフィラーワードを使いやすいかと言うと間違いなく2つ目の文章でしょう。
理由は繰り返しですけど文章が長いからです。
そして、一般的に話が長い人は「一文が長くなりがち」です。
そのため、話の長い人はただでさえ話が長いにも関わらず、「えー」「あのー」という言葉を挟むことによって余計に話が長くなってしまいます。
結果、相手からウンザリされてしまうワケです。
なお、話の長い人の特徴については話が長い人の心理と特徴5点。相手にするのが疲れる人への上手な対応方法とはという記事で解説しておりますので、興味があれば是非ともご覧ください。
原因③.会話の型がないから
結論、説明上手な人は往々にして会話の型があるものです。
例えば、有名な文章構成法として「PREP法」というものがあります。
PREP法の概要
- P=Point(結論)
- R=Reason(理由)
- E=Example(事例、具体例)
- P=Point(結論を繰り返す)
こういったテンプレの型があると、一つ一つの言葉も短くまとまりますし、迷いも少なくなります。
逆に、こういった会話の型がない人は頭の中で会話をどう組み立てようか迷うこともあるでしょう。
そういった迷いが、フィラーワードに繋がる可能性はあると思いますね。
そして、経験上PREP法を使ったビジネスマンは非常に多いので、まずは結論から話す習慣をつけるのは非常に大事だと思っています。
PREP法のWikiページによると、人間の集中力は話始めてからの30秒間が最も高いそうです。
そういった特性を踏まえても、聞き手の集中力が高いうちに伝えたい「結論」を言えるPREP法はおススメの話法ですね。
なお、結論ファーストで会話するメリットなどについてはデキるビジネスマンは結論から話す。結論ファーストが仕事でメリット多数なワケという記事で解説しております。こちらも是非ともご覧ください。
原因④.緊張しているから
皆さんが人生で最も緊張したことを思い返して頂ければと思うのですが、緊張すると頭が真っ白になったり、混乱したりしますよね。
下準備を入念にしたとしても、本番の空気感に気圧された結果として、本来のパフォーマンスができないことは人間誰しもあります。
この場合の対処法はシンプルに場慣れする他にないでしょう。
そのため、様々な経験を重ねることでフィラーワードが改善される可能性は十分にあると思います。
原因⑤.自信がないから
結論、自信がないと「不安」の気持ちが大きくなります。
自分のトークに自信があるのなら迷いは生じませんが、仮に自分に自信がない人が厳しい上司もいる空間でプレゼンするとなると
マズい。どうしよう。この内容で大丈夫かな・・・
と不安な気持ちになり、「えー」「あー」というフィラーワードを使う可能性は十分にあるでしょう。
2.フィラーワードを使わないための対処法
結論、フィラーワードを使わない対処法にはトリッキーなことはなくて、前述している原因を潰していくことに尽きます。
<「えー」、「あー」と言わないための方法>
- 説明をする前に、話をする内容を整理しておく
- ぶっつけで本番に臨むのではなく、何度も練習しておく
- PREP法で結論ファーストを心がけ、端的に話をする
- 仕事のできる先輩の喋り方などを研究し、語彙力を伸ばす
- 緊張する経験の場数をこなし、メンタルを鍛える
- 自分ならばできる!という気持ちを持ち、自信を持って仕事に取り組む
すぐに対策ができるものと、中長期的に時間をかけて対策するものと分かれると思いますね。
経験上、ある程度意識して数をこなせば必ずフィラーワードの数は減り、わかりやすく会話できるようになると思います。
ただ、自分自身経験があるのですが、「自分はフィラーワードを言わなくなった」と自信を持って意識が薄れると無意識にフィラーワードの癖が蘇ることがあります。
私自身、自分はもう大丈夫だ!と思っていたある日、上司から
ゆうざん君さ、プレゼン中にしょっちゅう「あのー」と言っているから気をつけたほうがいいよ!
とアドバイスされました。
「嘘でしょ!自覚なかった!」と驚きましたけど、それと同時に意識することの大事さを学びました。
再び意識してからはフィラーワードの数は減ったらしいので、やはり意識することは重要だと思いますね。
フィラーワードは少なければ少ないほど、周囲から評価されることにも繋がります。
2019年5月18日にトヨタ自動車の代表取締役社長・豊田章男氏が母校であるアメリカのバブソン大学にて行ったスピーチは、内容の素晴らしさと共に、フィラーが一切なかったということもあり全世界から大絶賛されています。
一見細かい「えー」「あのー」というワード一つからも、優秀なビジネスパーソンなのか否か判断されかねないので、是非とも強く意識していくと良いと思います。
おわりに。
ということで、「えー」「あのー」という言葉を使ってしまう原因と対処法に関するまとめ記事でした。
過去に自分が「えー」「あのー」と言わないようにしよう!と思うと面白いもので、私は他人の「えー」「あのー」というワードが物凄く気になるようになってしまいました。
皆さんの上司も、過去に様々な失敗を乗り越えて今を迎えていると思います。
その失敗の中には、「わかりにくい説明」も含まれている場合が多く、フィラーワードに着目して部下を評価している上司も一定数いることでしょう。
フィラーワードを使わないことで上司から評価されると共に、クライアントからも評価されるビジネスマンに近づけると思います。
私も現在進行形で意識しながら日々仕事に取り組んでいる毎日です。共にフィラーワードを少なくしていきましょう。
今回は以上です。