【曲線類型判定】クレペリン検査は落ちる?経験者がやり方と対策法を徹底解説!

2021年4月30日

書類選考で合格しました!という連絡を受け、気持ちが高まっているところに「次の選考はクレペリン検査という適性検査です」と言われた経験のある人は多いのではないでしょうか。

 

過去に2度の転職経験を持つ私自身も、そんな経験をしてきた一人でした。

 

クレペリンとは何なのか?どんな対策が必要なのか?そもそも、採点基準は何なのか?

 

現職が激務の中で転職活動をしていた私は、このような考えで頭を悩ませたものです。

 

本記事では過去の私と同じような疑問をお持ちの方向けに、クレペリン検査の概要や対策法を解説していきます。

 

本記事の内容

  • 1.クレペリン検査の概要とやり方
  • 2.クレペリン検査を採用している企業
  • 3.クレペリン検査の曲線類型判定とは
  • 4.クレペリン検査で落ちることはある?
  • 5.クレペリン検査の対策方法

 

1.クレペリン検査の概要とやり方

<引用元:株式会社 日本・精神技術研究所 内田クレペリン検査ホームページ

 

クレペリン検査の概要

結論、概要はというとこんな感じ。

 <クレペリン検査の概要>

  • 正式名称は内田クレペリン精神検査
  • 90年前から適性検査で採用されており、国内で最も歴史あるテスト
  • いまでも年間70万人の人が内田クレペリン検査を受検している
  • 人の心理の普遍的な部分を判定できる検査
  • 官公庁や学校、鉄道会社などでの適性検査で使われるケースが多い
  • テスト内容は、1桁の数字をひたすら足し算する単純なもの

 

クレペリン検査は、特定の時間に決められた作業を繰り返し実施し、その作業量の多さや作業量の変化に注目することで性格の判断を行う作業検査法の一種となります。

 

なお、本検査はドイツの精神医学者のエミール・クレペリンが行った研究を元に内田勇三郎氏が心理検査に発展させたという歴史があります。

 

そして、株式会社日本・精神技術研究所HPでは検査の概要について以下のように記されています。

 

日本で開発された心理検査のなかでは、もっとも長く使われている検査のひとつです。90年近くにわたって、産業や教育、そして医療の現場で使われ続けています。それだけ長く、広い分野で使われているということは、人の心理の普遍的な部分を判定できる検査といえるでしょう。いまでも年間70万人の人が内田クレペリン検査を受検しており、その利用価値は依然として高く評価されています。

 

適性検査でメジャーなSPIは、本屋に行けば参考書がたくさんあるので、事前対策ができますよね。

 

その一方で、クレペリンは人間の深層心理を把握するための検査でもあり対策が困難であることから、今でも多くの企業がこの試験を採用しているのでしょうね。

 

ちなみに、クレペリンと同じように人間の本質を測る適性検査として、TALという試験があります。

 

私が過去にTALを受験した実体験や試験概要などを【人間力判定】意味不明な適正検査TALの概要と落ちた体験談【図形問題】という記事でまとめておりますので、興味のある方は是非ともご覧ください。

 

クレペリン検査のやり方

内容は極めて単純です。1列に並んだ数字の間に、加算した数字の下一桁を記入していくだけです。具体的には以下の例をご覧ください。

 

例)

4 8 7 6 3 4 1 6

4 8 7 6 3 4 1 6

 2 5 3 9 7 5 7

 

上記のように、数字が116個ずつひたすら並んだ用紙が渡され、1分間で最初の行を足し算していき、1分が経過したら次の行に移っていきます。

 

じゃあ、1行全部書き終わった場合はどうすれば良いの?って疑問が浮かぶかもしれませんけど、1行全部を1分で計算するのは無理ですので安心してください。

 

もしかすると世の中にはすべて書きつくす人がいるのかもしれませんけど、私は概ね50〜70%くらいしか埋まりませんでした。

 

そして、試験時間中ずっと頭を働かせて手を高速で動かしているので、どこかで集中力が切れる瞬間が訪れてしまいがちです。

 

こういった単純計算を前半15分、後半15分(途中5分程度の休憩あり)行うのが試験概要となります。

 

なお、昨今ではSPIなども試験所ではなくてWEBテスト形式が一般的ですが、クレペリン検査はWEB対応はしておりません。

 

これは、クレペリン検査の目的が受験者に負荷をかけて、その結果から判定する性質が大きく影響しているのでしょう。

 

2.クレペリン検査を採用している企業

 

情報源が2008〜2009年と少し古いのですが、ホームページによるとクレペリン検査を採用している団体や企業はこんな感じ。

 <クレペリン検査の採用企業>

  • 中央省庁(防衛省、陸・海・空自衛隊、国土交通省)
  • 人事委員会(47都道府県のうち37県で実施)
  • 教育委員会、教育庁(47都道府県のうち26県で実施)
  • 警察本部、消防庁、交通局(47都道府県のうち31県で実施)
  • ㈱アレフ
  • 持田製薬㈱
  • 本田技研工業㈱
  • ヤマト運輸㈱
  • 大日本印刷各社
  • ㈱伊勢丹
  • ㈱アルバック
  • JR他鉄道各社
  • 大同特殊鋼㈱
  • 三菱UFJ信託銀行㈱
  • ㈱ニトリ
  • ㈱はせがわ
  • 西日本製鐵㈱
  • JFEスチール㈱
  • 綜合警備保障㈱
  • ㈱日能研
  • 日本通運㈱
  • 三菱重工業㈱
  • セイコーエプソン㈱
  • コンビ㈱
  • ㈱アグレックス
  • ㈱富士薬品
  • ユニオン建設㈱
  • コーナン商事㈱
  • 大成建設㈱
  • ㈱日立製作所
  • ㈱フランソア
  • ㈱すかいらーく
  • 花王ロジスティクス㈱ ほか多数

 

私の実体験で言いますと、2018年に横河電機を応募した際にクレペリン検査を受験しましたね。

 

3.クレペリン検査の曲線類型判定とは

 

内田クレペリン検査ホームページには、クレペリン検査でどのような人物判定しているのかを判定シートで公開しています。

 

<内田クレペリン検査ホームページより引用>

 

そして、この判定シートによるとポイントは以下の3つです。

 

作業類型判定:作業結果から24の人物パターンの中から受験者を分類

特異傾向:性格や行動面で不適切行動に繋がるような人材かを確認

性格や行動面の特性

 

結論、クレペリン検査では受験者の「性格」「処理能力」「注意力」が評価されており、上記3つの中でも最も重要な項目が作業類型判定の結果だと言われています。

 

そして、この作業類型曲線には理想曲線と呼ばれるものが存在するため、結果を理想曲線に近づけることがクレペリン検査の対処法と言えます。

 

そして、理想曲線の概要はというとこんな感じ。

 <クレペリン検査の理想曲線>

  • 前半はU字型かV字型。最初は集中力があるので処理数が多いが、中盤でパフォーマンスが落ち、後半で少し盛り返す
  • 後半はジリ貧。ただし、前半で要領を掴んでいるため、総じて処理数は前半よりも多い

 

ただ、大前提として、曲線が理想であっても回答数が少なかったり、間違えが多かったら意味がありません

 

曲線の形状と共に、回答数や正確性は合否に大きく左右することは抑えておきましょう。

 

クレペリン検査とSPIなどの適性検査で異なる点は、単純な足し算という反復した「作業」だけを使って受検者を測るところにあります。

 

なお、過去に私はクレペリン検査を2回受験した経験がありますけど、試験中は目の前の数字に集中しているので、理想曲線のことは知りつつも、曲線を意図的に作ろうとする余裕は0でした。

 

そういった理由により、クレペリン検査は頭ではわかっていても対策が難しく、結果として企業側は「集中力を持って仕事を長時間に渡り正確に実施できる人材なのか」を測ることが可能なのです

 

4.クレペリン検査で落ちることはある?

 

結論、クレペリンで落ちることはあります。

 

業界でいうと、「鉄道」「運輸」「流通」「小売」などでは本試験は高い割合で採用されています。

 

特に運輸では業界柄緻密で正確な成果を出せる人材が評価される傾向があります。また、全業界共通である程度の地頭の良さは欲しいところでしょう

 

という点を踏まえつつ、クレペリンで落ちる人の傾向を書くとこんな感じ。

 <クレペリンで落ちる人の傾向>

  • 集中力が低く、結果が極端
  • 計算力が単純に低い
  • 計算のスピード感がない
  • 正確性に乏しい など

 

鉄道や運輸って、ある意味人の命を預かっているような産業ですので、何よりも安定感を求めるのでしょうね。

 

そう考えると、鉄道や運輸業界を目指すのであれば、クレペリン検査のトレーニングを行って上述した理想曲線に近づけることも大事かもしれません。

 

また、クレペリン検査単独で適性検査を行うケースもありますが、WEBテストなどの検査を併用するパターンもよくあります

 

よって、少なからず適性検査の対策はしたほうが良いのですが、「適正検査ってどの程度まで対策すれば良いの?」という点は悩ましいですよね。

 

私自身の経験で言いますと、だいたい6割くらい正解したけど落ちた経験もありますし、逆に、3割くらいしかできなかったのに適性検査に合格した経験もあります。

 

この経験を踏まえた適性検査の合格に関する考察を転職の適性検査でボロボロでも受かった筆者が悲惨な結果でも受かる理由を3つ紹介という記事で行っておりますので、興味があればこちらも是非ご覧ください。

 

5. クレペリン検査の対策方法

結論、クレペリン検査では以下のようなポイントを見られています。

 <クレペリン検査の判定ポイント>

  • 1行あたりの作業量の多さ
  • どれだけ正確にミスなく作業できているか
  • 作業曲線が理想にどれだけ近いのか など

 

そして、クレペリン検査で高いパフォーマンスを出すための対策法は2つです。1つ目はシンプルに「練習すること」。2つ目は「評価基準を知ること」です。

 

対策法その①.練習あるのみ

クレペリン検査問題自体はとても単純なものですので、プリンタとExcelがあれば自作できます。

 

本番の回答用紙には一行に数字が116個並んでいますが、全て回答するのはほぼ不可能ですので、70〜80くらいの数字を並べた用紙を自作して練習すると良いでしょう。

 

ただ、問題用紙を自作するのには数時間要するのも事実です。

 

数時間あれば企業研究や面接対策ができるのに・・・

 

と思う方は、問題用紙を購入するか、クレペリンの参考書を購入してしまうことをオススメします。

 

公式サイトでは10セットが1,100円で購入できます。さほど大きな出費でもないので、志望度の高い企業がクレペリン検査を採用している場合はこういったサイトや本屋などで問題用紙を入手しましょう。

 

また、クレペリン検査では持ち物として消しゴムが認められていないため、間違えた場合は鉛筆で二重線を書いていきます。

 

こうした細かいルールは所見だと忘れがちです。また、1度練習しておくと「鉛筆の芯が折れるので複数持っていこう」などの注意点が見つかったりします。

 

やはり、練習は大事です。練習をしておけば本番に焦ることも少なくなるので、できる限りの対策はしておくと良いでしょう。

 

対策法その②.評価基準を知る

上述の通り、クレペリン検査は作業曲線判定の結果が重要です。ですので、上述の通り正確性を保ち回答数を多くしたうえで理想曲線を意識しましょう

 

理想曲線が高いレベルで描くことができれば、自ずと結果は出るでしょう。

 

なお、性格や行動面の特性では、以下の3項目に分けて人物像を評価しているようです。

 

発動性:高い人は身軽な反面、軽はずみとも言える。低い人は手堅い反面、殻にこもる傾向にある。

可変性:高い人は柔軟で機転が効く一方で、ムラッ気があると言える。低い人は粘り強い反面、頑固とも言える。

亢進性:高い人は強気で行動的な一方で、強引とも言える。低い人は温和な反面、妥協しやすいとも言える。

 

結論、性格や行動面は各特性が高ければ良いワケではありません。要は、企業が求める性格とのマッチングに尽きます。

 

そして、大前提として数字の足し算でこれらの性格がどのような基準で判定されるのか、受験者の私達は知るよしもありませんので、この点は意識しても仕方ありません。

 

余計なことを考えれば考えるほど、かえって結果は悪くなります。

 

繰り返しにはなりますが、高いレベルでの理想曲線を確保できれば自ずと結果は付いてくるでしょう。

 

睡眠時間はしっかりと取った上で本番に臨もう

私は人生で2回クレペリン検査を受けたことがあります。

 

正直、はじめて受験する時は

 

一桁の数字の足し算だけなんて余裕でしょ

 

と思っていたのですが、残念なことにそんなことはありませんでした。

 

最初は余裕があるものの、時には「あっ!間違えた」と感じる瞬間もあります。

 

ただ、そういった際にも手を止めるわけにはいきません。けれど、迷いが出たら作業に若干の影響が生じますし、手汗なんかも出てきます。

 

そんなクレペリン検査を振り返ると、他の適性検査の数倍の疲労度があるんじゃないかと思います。

 

ですので、間違ってもクレペリン検査の受験前日に深酒や徹夜などはしないようにしましょう。

 

検査前は自分の脳をひたすら労って休ませてあげることをオススメします。

 

また、糖分は集中力を増してくれると言われています。

 

試験前にチョコレートや飴などの糖分を摂取することも大事なことだと思いますね。

 

おわりに。

ということで、クレペリン検査の概要や対策法などのまとめ記事でした。

 

本記事でまとめてきた検査の対処法はとても大事なことです。

 

ただ、だからと言って対策のやり過ぎは禁物です。

仮に、クレペリン検査で完璧な結果を出したとしても、面接の受け答えがイマイチでしたらあっさりと落ちてしまいます。

 

結論、就活や転職において、最も対策に時間を割くべきなのは適性検査ではなく面接対策なのです。

 

そういった理由により、クレペリン検査の対策は最小限に留め、面接対策に時間をより多く割くことが内定獲得の近道だと思います。

 

今回は以上です。

© 2024 ゆうざんワーク-Yuzan Work- Powered by AFFINGER5