会社を辞めて転職することに決めた。けれど、気の合う同僚とは可能なら今後も交友関係を続けていきたいと思っている。
一方で、転職したら昔の同僚との縁が切れるという話も聞くけれど、実際どうなんだろうか。
本記事ではこんな悩みに答えます。
結論、会社を抜きにして気が合う人でない限り、会社を辞めてしまうと遅かれ早かれ元同僚とは疎遠になります。
私は、これまで15年以上の社会人歴において2回の異業種転職を経験してきました。
その中には気の合う同僚も何人かいましたが、結果的にほとんどの元同僚とは疎遠になってしまっています。
今回は、そんな経験を持つ私が会社を辞めた結果、前職の同僚と縁が切れたり疎遠になる理由などについて徹底解説していきます。
本記事の内容
- 1.会社を辞めると同僚と縁が切れたり疎遠になる理由2つ
- 2.転職に成功すればするほど前職の同僚とは疎遠になるもの
- 3.共通の趣味があるのなら疎遠にならない可能性あり
- 4.疎遠になるからといって「辞めたら関係ない」と思うのは危険
1.会社を辞めると同僚と縁が切れたり疎遠になる理由2つ
理由①.今を分かち合えなくなるから
結論、会社を辞めてしまうと、前職の同僚とは「今」を分かち合えなくなります。
会社にいた頃は、「部署内や他部署との人間関係」「会社の方針」「人事異動による働き方の変化」など、社内のありとあらゆることが共通の話題や関心事だったことでしょう。
あの上司、本当に腹が立つ!
〇〇さんが異動になって、△△さんがチームメンバーになるらしいよ
今のプロジェクトって結構忙しいよね
在職時は、飲み会の場でこういった共通の話題で盛り上がることはよくありますよね。
むしろ、会社の飲み会の話題のほとんどは仕事の話題が中心であることが多いでしょう。
けれど、会社を辞めてしまえば元同僚との人間関係は全く変わります。
これまで一緒の会社だった時とは異なり、上司も違えば待遇も違う。会社のルールも違えば使う社内システムも違えば困りごとも違う。
そうなると、お互いに「共感」することが困難になるんですよね。
プライベートのコミュニケーションでも、自分の意見に共感してもらえないって辛いですよね。
自分の境遇や悩みを理解されないと人間関係はうまくいかないものです。
古くからの友人であるならまだしも、多くの場合元同僚は「同じ会社」という大前提があったからこその人間関係でしかありません。
そして、会社を辞めてしまうことで共通の話題が分かち合えなくなる結果、今の仕事の話をしていても「なんか昔と違うな・・・」という違和感に繋がっていくのです。
この現象は例えるならば、昔仲の良かった地元の友人と疎遠になってしまう現象と良く似ています。
この事例も、今を分かち合えなくなる結果だからです。
なお、地元の友人と疎遠になってしまう理由については社会人になり次第に疎遠に。地元の友人のレベルが低いと感じてしまう3つの理由という記事で解説しておりますので、興味があれば是非ともご覧ください。
理由②.前職の話がつまらなく思えてしまう
上述の通り、会社を辞めてしまうと前職で働いていたのは昔の話になります。
そうなると、前職の職場環境がどんなにブラックだろうが自分とは無関係になります。
むしろ、会社を辞めている自分からすると「そんなに大変なんだったら会社を辞めちゃえばいいじゃないか」と思ってしまいがちです。
私自身がまさにこのパターンだったんですけど、ブラックな会社を退職して生じる余裕があるからこそ、前職の苦労話の話題そのものがつまらなく思えてしまっていました。
私自身、1社目で勤めた会社は約10年働いてから退職したので、退職して間もない頃はそれまでお世話になった人から飲み会にちょくちょく呼ばれることもありました。
けれど、当然ですけど飲み会の話題は前の会社に関わる仕事の話が中心。盛り上がる話題も私ではなくて前職で働く人達です。
「最近は○○さんが異動になった」とか、「▲▲さんはは最近忙しそう」
という社内の話題がほとんどな場になっていましたね。
ただ、会社を辞めた側からすると、「そんな修羅の道から脱出できてよかった」と安堵することはあれど、基本的には「ふーん。そうなんだ」という感想しかないんですよね。
周囲は自分が思っている以上に雰囲気に敏感なものです。
正直、微妙だな・・・
と思っている違和感は少なからず相手に伝わっていき、その結果として疎遠になっていくんだと思いますね。
2.転職に成功すればするほど前職の同僚とは疎遠になるもの
転職成功経験を語るのは元同僚へのマウントと同じ
結論、私は過去2回の異業種転職に成功したと思っています。
フレキシブルな働き方、年収アップ、スキルアップなど、転職をした結果どんどん環境が改善されていきました。
ただ、「転職して良かった」と思う経験は、少なからず前の同僚を下に見てしまうことに繋がります。
正直、今自分のキャリアを振り返ってみると「もっと早く転職活動していればよかった」と思うのも事実です。
そして、その想いは今前職で働く人達にも共通して当てはまります。
けれど、自分の想いが必ずしも相手にとって欲しい情報とは限りません。
辞めたくても辞められない人もいれば、自らの意思で前職を選んでいる人もいるわけなので、転職を強く薦められるのは余計なお世話だったりしますよね。
そう。今仕事で苦しんでいる人に向かって転職成功の実体験話をするということは、相手へマウントを取ることです。
けれど、転職成功したのは事実なので、そういう人ほど結構前職の同僚と会う時は気を使ってしまいがちになるでしょう。
そういったよそよそしさから相手も「なんかこの人とは浅い話しかできないな」と感じてしまい、結果としてお互いに疎遠になっていくという構図となります。
そういう意味では、転職に失敗した人のほうが、前の同僚との関係を良好に保てるのかもしれませんね。
カムバック採用の紹介を受けると元同僚との距離は縮まる
近年では、パナソニック・NTTドコモ・ANAなどの大手企業を中心に元々勤めていた社員を再度雇用するカムバック採用が増えています。
実際、私自身も1社目で10年働いていた会社からカムバックの紹介を受けたことがあります。
私の場合はカムバックする気が0だったので秒で断りましたけど、紹介した人にカムバックしてもらうためには今の会社の現状をよく知ってもらうことが必要です。
その結果、元同僚とのコミュニケーション機会が増えて距離が縮まるのはよくある話です。
なお、特に転職失敗してカムバック採用を視野に入れているとして、明確にやりたいことがある人以外は安易に前の会社へ戻ろうとするのはリスクが大きいということ。
その詳細については【後悔】転職したけど前の会社に戻りたいと思っているあなたへ伝えたいことという記事で解説しておりますので、興味があればこちらも是非ご覧ください。
3.共通の趣味があるのなら疎遠にならない可能性あり
上述の通りで、仕事しか共通点のなかった前の会社の同僚とは退職を境に縁が切れたり疎遠になります。
そのため、会社関係なく共通の趣味によって交流があった場合、「今」を分かち合える要素があるので疎遠にはならないかもしれません。
ただ、その場合においても今まであった「会社」という大きな共通点はなくなりますので、当人同士が共感できるポイントは少なくなっていくでしょう。
その結果、いつしか疎遠になっていく可能性は高いと言えるでしょうね。
4.疎遠になるからといって「辞めたら関係ない」と思うのは危険
会社を辞めると元の同僚とは疎遠になっていくものですが、その事実を都合よく解釈して「辞めるんだから何をしても関係ない」と思うのは危険です。
上述の通り、今はカムバック採用の事例も増えています。
私自身がそうでしたけど、転職で内定が出た時って転職先に理想像を描きがちです。
その結果、「思っていた会社ではなかった・・・」と思う人は多いでしょう。ただ、辞める際に会社の悪口を言いふらすような最悪の辞め方をしてしまうとその道は完全に途絶えてしまいます。
それに、今はSNSなどで個人の評判は出回りやすい世の中です。
最悪な辞め方をすると上司や同僚から当然反感を買います。そうした人達からの不評は関係のある人達に伝わっていくものです。
そのため、特に同業種で転職する人ほど去り際に気をつけることが転職先で成功するポイントと言えるでしょう。
そう考えると、会社を辞める際に会社に復讐するのは非常にリスクが高いですし、何より前職という過去の存在に拘って復讐に勤しむ時間が何より勿体ないです。
詳細については【前に進もう】前の会社が憎いあなたへ伝えたい5つのこと【入社を反省しよう】という記事で解説しておりますので、興味があれば是非ともご覧ください。
おわりに。
ということで、転職したら前の同僚とは疎遠になってしまったり縁が切れてしまうというまとめ記事でした。
結論、同僚というのはほとんどのケースが仕事上の繋がりですので会社が変われば縁も切れていくのが自然です。
しばらくは年賀状などでやり取りをしていたとしても、数年経てばそういった交流すらもなくなるのは珍しいことでもありません。
「こんな会社の人間からはおさらばしたい!」と思っていたならばこの事実は大歓迎でしょうけど、これまで同僚を大切にしていた人にとっては悲しいことかもしれませんよね。
もちろん、過去は生きてきた証なので大切な出来事でしょう。
ただ、それ以上に大切なのは今の職場の人間関係です。
考えようによっては、前の同僚と疎遠になっていくことは今を生きて前に向かっていると言えるかもしれませんよ。
ぜひとも、未来に向かって一歩一歩前進していきましょう。
今回は以上です。