労働組合役員ってストレス大?経験者が組合役員のメリット・デメリットを解説!

2021年8月21日

労働組合の役員に誘われた。面白そうだと感じる反面、仕事がおろそかになってしまう気がする。

 

そもそも、どんな仕事なのか今ひとつイメージができないし、ストレスがすごいって話も聞いたことがあるので引き受けるか迷ってしまう。

 

こういったことでお悩みではありませんか?

 

労働組合も専従なのか非専従なのかによって、活動量は大きく変わってくるとは思います。

 

いずれにしても言えるのは、「労働量は増え、かつ組合活動では、これまでとは違った視点が求められる」ということです。

 

そう言えるのは、私は1社目に労働組合の非専従役員を2年間担当した経験があるから。

 

また、労働組合の役員をやってみてはじめて気づく会社の実態というのも多いです。

 

ということで今回は、労働組合役員を引き受けるメリット、デメリットおよび組合役員を経験した所感などを解説していきます。

 

本記事の内容

  • 1.労働組合を引き受けるメリット5選【役員・執行委員】
  • 2.労働組合役員を引き受けたときのデメリット3選
  • 3.労働組合役員を体験して感じること
  • 4.労働組合役員を引き受けないほうが良い人の条件
  • 5.労働組合役員の任期途中で会社を辞める人はいるのか

 

1.労働組合を引き受けるメリット5選【役員・執行委員】

メリット①.委員長や本部役員は特に出世に繋がりやすい

結論、労働組合役員は30代〜40代くらいの年齢の方が多いです。

 

そして、労働組合の役員をやっていると、普段の仕事では直接関わることのないであろう経営陣と直接会話することがあります。

 

前提として、労働組合の委員長や役員になる人は周囲から評価されて推薦されるケースが多いため、経営陣を前にしても一定の評価を得られる立ち振る舞いをするケースが多いでしょう。

 

その結果、経営陣から顔を覚えてもらえることで、出世に繋がりやすいという構図があるのはメリットの一つと言えます。

 

なお、よく「労働組合の委員長や役員をやると出世に繋がる」って言われたりしますけど、これは半分本当で半分嘘です。

 

上述の通り、労働組合の委員長や役員になる人は周囲から評価されて推薦されるケースが多いので、そもそも実力のある人でないと役職に就くこともできないです。

 

そういった選ばれし人が、組合の重責を期待通りに応えて高いパフォーマンスを発揮した結果が出世なだけで、委員長をやっているから出世できるって話ではありません。

 

また、自己成長という意味でも組合役員を引き受けるメリットは多いです。

 

会社の経営陣と会話すること自体、普通に会社員をやっているとなかなか機会に恵まれないことですよね。

 

皆さんも想像してみてください。自社の社長や専務と会議の場でフリーディスカッションを交わすと考えると、身震いしませんか?

 

そう。組合役員をしていると、こうした高い緊張感が伴う出来事を経験でき、痺れるような経験を重ねていくことで自分の成長にも繋がるという構図です。

 

また、一般的に経営陣は自分よりもはるかに上のレベルで物事を考えています。

 

そのため、経営陣と直に会話をすると会社の経営者目線で物事を考える視野の広さなど、多くの気づきが得られます。

 

そうした気づきがあるというだけでも自己成長を促す効果があると思いますので、その点もメリットと言えるのではないでしょうか。

 

メリット②.社内人脈が広がる

結論、会社によりますが、労働組合は委員長、副委員長、書記長の3役+会計、執行役員で構成される本部を基幹として、各地域ごとに支部を設ける構成が多いでしょう。

 

労働組合の役員になると、支部との交流も出てくるため、普段の仕事では交流のないような部門の人との繋がりができます。

 

人脈ができると、良くも悪くも社内の情報が集まりやすくなります。

 

その結果、他部署からの相談が増えるデメリットもありますが、それ以上に自分が困った時に気軽に相談できる間柄の人が作れるのはデメリットを上回るメリットです。

 

社内人脈ができることで、普段の仕事で「この案件、あの部署に相談したいんだけど知り合いがいない・・・」「この案件、どの部署に相談すればよいのかわからない・・・」といった悩みの解決に繋がる可能性があるでしょう。

 

メリット③.会社の実態が知れる

結論、労働組合役員をやっていると、良くも悪くも会社の実態がよくわかります。

 <労働組合役員になるとわかる会社の実態例>

  • 部署単位での残業時間
  • 部署単位でのサービス残業時間(PC起動時間と残業実績との差異)
  • 退職者情報
  • 会社の方向性
  • 経営陣の考え
  • 人事制度の方向性
  • 組合員が不満に感じていること

 

その結果、良い結果であれば「長くこの会社で働こう!」という意思決定に繋がりますし、悪い結果であれば「この会社はやっぱりヤバい・・・」と気づくことができます。

 

ちなみに、私は後者だったので、組合役員の任期を終えると共に転職したわけです。そして、人事部長に裏切り者呼ばわりされたのは懐かしい思い出です。

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なお、今私が働いている会社はブラック企業かもしれないけど、そうではないと信じている。

 

このようなことで悩んでいる方は、労働組合役員を引き受けてみると良いかもしれません。

 

なお、ブラック企業の特徴については【理不尽】ブラック企業あるある9選。該当者は即刻転職を!【怖すぎ】という記事であるある事例を解説していますので、興味があれば是非ともご覧ください。

 

メリット④.全体を観る視点が身につく

普段の仕事をしていると、自部署の立場だけを考えて物事を考えがちですよね。

 

ただ、労働組合役員というのは会社全体を考えた意思決定や判断が求められます。

 

つまり、経営者のように全体を俯瞰する視野が求められます。

 

将来的に自分が出世して管理職や経営者になることを考慮すると、労働組合役員を引き受けることで、経営の考え方を養う土台作りになると言えるでしょう。

 

メリット⑤.調整力が身につく

結論、会社の経営陣ってメチャメチャ多忙なんですよね。

 

そういった多忙な人達を何人も集めて定期的に懇談したり折衝したりするので、スケジュール調整力は必須のスキルであるとともに、調整力は嫌が応でも身につきます。

 

普段の仕事でも調整力は求められる場面が多いので、労働組合役員を引き受けることでスキルアップにも繋がる点はメリットと言えるでしょう。

 

2.労働組合役員を引き受けたときのデメリット3選

デメリット①.組合専従の場合は激務でつらい

労働組合役員を引き受ける最たるデメリットが激務になるという点です。

 

非専従の場合は普段の仕事を効率的に終わらせつつ、仕事を終えた18〜20時くらいから組合の仕事を始める日が週に何日かあるイメージです。

 

当然、23時や終電まで組合の仕事をすることが多いでしょうし、泊まり込みで組合の仕事をするなんてことも時には出てくる仕事です。

 

そして、組合役員の中でも特に大変なのが書記長という役職です。

 

私は支部の書記長をやっていましたけど、書記長って会社と組合行事のスケジュール調整などを行う役割なので、書記長の働きぶりが組合という組織を左右すると言えます。

 

ですので、書記長やらないか?と言われた時は組合役員の中でも重要ポストかつ大変な役割であることは覚えておいて損はないでしょう。

 

そのため、ハードワークをこなす覚悟を持たないと後悔することになるでしょう。

 

なお、組合専従の場合は仕事の時間を組合活動に注げるので、結構ワークライフバランスが確保できるのではないか?って感じるかもしれませんけど、結論そんなことはありません。

 

今の会社では、組合専従の人がいるんですけど、その人が言うには

 

特に春闘の頃は激務であり、睡眠時間もまともに取れないほどだ

 

とのことでしたね。

 

デメリット②.組合員に批判され、ストレスを感じる

これも結論会社によりますが、組合役員をやっていて何が精神的にキツいかと言うと、同じ仲間であるはずの組合員から批判されることなんですよね。

 <労働組合役員が組合員から批判される事例>

  • 昇給や賞与の妥結結果に対する批判
  • 匿名アンケートでの批判(誹謗中傷含む)
  • 人事制度に対する批判

 

実体験で言いますと「大会」や「集会」と呼ばれる組合員への説明の場だったり、組合員の生の声を集めるためのアンケートで批判されることが多かったですね。

 

さすがに個人を名指しで批判されることはありませんでしたが、一生懸命やっているところに「組合なんていてもいなくても変わらない」「無駄なことばかりやっていないで賃金を上げてくれ」といった誹謗中傷まがいのコメントをもらったときは精神的に堪えたものです。

 

デメリット③.コストパフォーマンスが悪い

結論、組合としての活動には手当が出ますが、時給換算すると薄給です。

 

私の場合、組合の時給は本業の約1/2でした。そのため、同じ労働時間に対するコスパを考えてしまうと、組合役員は正直割に合わないというのが結論になってしまいます。

 

3.労働組合役員を体験して感じること

私が非専従の労働組合役員を2年間やってみて感じることは「組合役員を引き受けて良かった」ですね。

 <組合役員を引き受けて良かったと感じること>

  • 全体を観るという視点が養えた
  • 調整力が身についた
  • 会社の実態がわかったので、転職する決断の後押しとなった

 

特に、全体を俯瞰して考える視点が養えたことと、調整力が身についたことは自分のキャリアプランを考えても結構プラスでしたね。

 

ですので、今の仕事が専門的でスペシャリスト傾向になっている人こそ、組合役員を引き受けることで新たな気づきが得られると思いますね。

 

4.労働組合役員を引き受けないほうが良い人の条件

結論、誰もが引き受けるべきかというとNoだと思っておりまして、ここからは組合役員をしないほうが良い人の特徴について解説していきます。

 

労働組合役員を引き受けないほうが良い人①:転職すると決めている人

労働組合役員は選挙で選出され、途中で空きが出てもすぐさま補充できるというものではありません。

 

結論、労働組合役員が任期途中で退職してしまうと、ポストに空きが出たままになりますので、残されたメンバーに対して結構な迷惑をかけることになるでしょう。

 

そのため、既に転職を決めているに入れている人は辞退することをおすすめしますね。

 

とはいえ、私のように組合役員を引き受けたことで初めて会社の実態が判明し、転職を決断する場合もあると思います。

 

その場合も、可能であれば組合役員としての任期を満了してから転職するのが望ましいでしょう。

 

労働組合役員を引き受けないほうが良い人②:上司や同僚の理解が得られない人

結論、労働組合役員をやると、多かれ少なかれ仕事を同僚に任せる機会が増えてしまいます。

 

そのため、上司が組合役員を引き受けることに反対姿勢の場合は労働組合役員は辞退するのが無難でしょう。

 

私の体験談で言いますと、周囲には組合役員をやりながらも仕事を誰にも引き受けてもらえず、土日にサービス出勤して仕事をしている人がいました。

 

独身であれば良いかもしれませんが、家族に迷惑をかけますよね。

 

また、このような働き方をしていては、何よりも心身共に疲弊してしまうので、上司や同僚からのフォローが得られるか否かというのは重要なポイントと言えるでしょう。

 

ちなみに、労働組合の役員に誘われるということは少なからずあなたの仕事ぶりが評価されていることを示すので、それ自体には自信を持って良いと思います。

 

そのうえで、やっぱり断りたいな・・・という人は【嘘は禁物】労働組合の役員を頼まれた!元組合役員が断り方のポイントを解説という記事で断り方のポイントをまとめておりますので、興味があれば是非ともご覧ください。

 

5.労働組合役員の任期途中で会社を辞める人はいるのか

 

結論、労働組合役員も人間ですので、任期の途中に転職する人はそれなりにいます。

 

なぜそう言い切れるかと言うと、私自身がそうだったからですし、任期途中で転職する同僚を見てきたことがあるからです。

 

そして、組合の役員を引き受けると良くも悪くも会社の実態がわかりますので、新たな気づきが少なからず出てきます。

 

その結果、「この会社は見切りを付けたほうが良いな」と思ったのであれば、それは転職のタイミングと言えるでしょう。

 

なお、組合役員で会社を辞めたい人の思考法などについては労働組合役員の任期途中で退職を決意した私が同じ境遇のあなたへ伝えたいことという記事で解説しております。こちらも是非ご覧ください。

 

おわりに。

ということで、労働組合役員を引き受けることのメリットやデメリットに関するまとめ記事でした。

 

普段の仕事ですと部署が違えば利害関係が伴うので、「営業と技術」や「企画と現場」の仲が悪いというのはよくある話でしょうが、労働組合の場合はそういったことがないため、仲間意識が色濃くなるのも特徴だと思います。

 

労働組合役員を引き受けたほうが良いか迷っている方は、ぜひ本記事を参考にして頂ければと思います。

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